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「分身て・・・。」
呆然としたようにイルカはカカシを見つめる。
「分身て影分身、のことですか?」
「はあ。」
「自分の影分身を俺に変化させて?」
「まあ。」
訊かれて居心地の悪くなるカカシである。
しかし、腕はイルカを離さなかった。
イルカの顎に当てていた手を、そっと外してイルカの背に回す。
両手をイルカの背中に回せば、それは自然と抱きしめる形になった。
だがイルカは呆然としたままで、そのことには気がついていない。



「な、んで、そんなこと・・・。」
不可解だと言わんばかりのイルカの声だ。
「ええと、それはですねえ。」
「それは?」
「それは・・・。」
じいっとイルカはカカシを見る。
黒い目で見つめられると、それは無言の圧力となってカカシに圧し掛かってきた。
その澄んだ瞳を前にして嘘は言えない。
全部、言ってしまおう・・・。
カカシは覚悟を決める。
変人と思われても仕方がないかもしれないし、と諦めた。



「イルカ先生が好きだからです!」



ついに言ってしまった。
カカシの腕の中でイルカが驚きのためか、体を強張らせるのが分かった。
「今日、イルカ先生の告白しようと思ってイルカ先生に来てほしいって言っていましたよね、俺。」
こくっとイルカが小さく頷いた。
「イルカ先生を待っている間に、俺、緊張してきちゃって。」
今、思い出すと何であんなことしてしまったのかと悔やまれる。
おかげでイルカに大誤解を与えて悲しませてしまった。
「告白の練習をしておこうと思って、影分身を出してイルカ先生に変化させて告白の練習をしていたんです。」
「でも、あの・・・。」
恐る恐るといった風にイルカは言う。
「俺が見た時、髪が下ろされていて・・・。」
女性のようだった、とイルカは言いたいのであろう。



カカシは、それについて話すのも、いささか抵抗があった。
だが、話さなければイルカは分からない。
「それは、その。」
恥を忍んでカカシは説明した。
「俺、イルカ先生の髪を下ろした姿を見たことがなかったので、どんなかな〜と興味が沸いてきちゃって・・・。」
そんで、と口篭りながらカカシは何とか言う。
「つい、出来心で影分身のイルカ先生の髪を下ろしてみたら、いつもとまた、違った可愛さで思わず抱きついてしまったんです。」
自分で自分に抱きついてしまった・・・。
他の誰でもない。
だから許してイルカ先生、とカカシがイルカを見ると。
イルカはカカシの腕の中で真っ赤になっていた。
首筋も耳も朱に染まっている。



「イルカ先生?」
顔を覗き込むと、ぷいっと顔を逸らされる。
逸らした方を覗き込むと、再び、逸らされた。
そんなことを何度か繰り返した後、イルカの小さな声が聞こえた。
「ずるい・・・。」
「え、ずるい?」
思いもよらぬことを言われてカカシは焦る。
「ずるいって俺がですか?」
「・・・そうです。」
イルカは赤い顔をしながらも眉を潜めて口を尖らせている。



「俺、すっごく悩んでいたのに。」
「ごめんね、イルカ先生。」
「カカシさんが、いつかは結婚して家庭を築いてって嬉しそうに酒の席で言っていたから・・・。」
「ああ、そう言えば、そんなこと言ったような・・・。でも嬉しそうってはイルカ先生といたからですよ。」
「・・・結婚ってことを言われた時に俺はカカシさんのことが好きだって気がついて、それと同時に失恋したと思って。」
「でも、俺。」
カカシは記憶を辿る。
「将来もしかして結婚するのかなと思っていたと言った後に、今は好きな人がいるから、その人と一生共に出来ればそれでいいって言ったと思うんですが。」
「・・・え。」
その言葉に思わず顔を上げると、そこに自分を見ているカカシの顔があった。
目はイルカだけを映している。
今、カカシが好きな人。
それはまさしくイルカのことであった。



「そう言ったんですけど。聞こえていなかったですか、イルカ先生。」
尋ねられて、今度はイルカが口篭る番だった。
あの時はカカシの口から出た『結婚』と言う言葉に動揺して、その後、カカシが言ったことなど碌に聞いていなかったのである。
何も覚えていなかった。
「すみません。」
しゅんとなってしまったイルカをカカシは優しく慰める。
どさくさに紛れるようにしてイルカを、しっかりと腕に抱いて背を撫でた。
「いいんですよ、そんなこともありますよね。」
大人の余裕を見せている。
「でも、イルカ先生!」
急にカカシは、きりりとした顔になった。



「さっきのことなんですけど。」
真剣な顔でカカシは抱きしめているイルカに顔を近づけてきた。
「さっきの?」
「さっきのですよ、俺の!」
「俺の?」
「俺のことが好きだって気がついてって!イルカ先生、言ったじゃないですか!」
ほんと?とカカシは目を見開いてイルカに答えを求めてきた。
ついさっきまで大人の余裕を見せていたカカシが、今度は顔を真っ赤にさせている。



「もう一回!」
カカシは切に懇願した。
「もう一回、ちゃんと俺のこと好きだって言ってください!」





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