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「ま、何はともあれ、イルカが誤解していたのは分かった。」
アスマはタバコの煙を上手そうに吸った。
カカシの説明で例の人物の一件が納得いったらしい。
「あとは、ちゃーんとカカシがイルカに説明すればいいだけだな。」
からかうように言うとカカシは肩を竦めた。
「言いたくないなあ。」
この後に及んで、まだ、そんなことを言っている。
「言ったらアスマみたいに変人呼ばわりされるかも。」
あっはっはっとアスマは笑い「そうかもな〜。」と気楽に言った。
何しろ、アスマは他人事なので気が楽だ。
イルカのことが多少、気がかりではあるがカカシがイルカを大事に思っていることは確実なので心配ないだろう。
「アスマに言われるなら、ともかく、イルカ先生に言われたら、俺、立ち直れないかも・・・。」
カカシは、ちょっと気弱になっている。



そんなカカシを微笑ましい気持ちで見ながらもアスマは、つい笑ってしまう。
「まあ、頑張れよ。」
一応、激励をした。
「そうだ〜ね。」
「さっきの妄想を現実にするために。」
「失礼なやつだなあ。」
カカシは一蹴した後に堂々と言い放った。
「妄想じゃなくて理想と言ってよね〜。それも近く現実になる、輝かしい未来のだ〜よ。」
「分かった分かった。それはカカシの誤解が解けて、晴れて想いが日の目を見てから認めるとしよう。」
「じゃあ、先取りでお祝いしてよ。」
「しょうがねえなあ。」
カカシの要望もあり、とりあえずアスマはカカシと乾杯したのだった。
カカシとイルカの愛ある未来のために。



乾杯した酒を、ごくごくと飲み干したカカシはイルカの頭を、一旦、畳の上に慎重に下ろした。
そして、これまた慎重にイルカを背負う。
眠りを妨げぬように、静かに、そっと。
起こさぬように。
「じゃ、俺、帰るから。」
当然のようにイルカを連れて帰ろうとしている。
「おいおい。」
アスマは止めるつもりは更々なかったが、念のために言っておいた。
「送り狼になるつもりか?」
忠告する。
「うーん、そうだねえ。」
言われたカカシは、にっこりと笑った。
無邪気に。
・・・無邪気な笑顔の下には何が隠れているのだろう。
無駄に邪推したくなるような笑顔だった。



「ほら、昔から諺にもあるじゃない。」
「何が?」
「男は狼だって。」
「ねえよ。」
アスマの素早く、鋭い突っ込みにもカカシはめげない。
「そうだっけ?ま、俺は狼は狼でも・・・。」
カカシはイルカを落とさないように背負い直す。
「野生の狼じゃないから大丈夫。」と、なぜか自信満々だ。
そして「お勘定よろしくね〜。」という言葉を残して、意気揚々と去って行った。
一人取り残されたアスマは・・・。
酒を飲みながら呟いた。
「野生じゃなくても狼には違いないだろーが。」
全く、その通りであった。





イルカを背負って迷わず、自宅に連れ帰ったカカシは自分のベッドの上にイルカを横たえた。
ベストを脱がせて額宛も外すとイルカが、ふ、と息を吐き出した。
体の緊張が解けたのかもしれない。
冷たいタオルで額を拭いてやると心なしか、表情が和らいだような気がする。
イルカは、そんなに酒を飲んでないようであったし、幾度か酒を飲んだことがあったが弱い方ではなかったとカカシは記憶している。
「イルカ先生。」
カカシは小さく名を呼んでみた。
ぴくり、とイルカの瞼が動いた。
更に耳元に口を近づけて囁くように呼んでみる。
「イルカ先生。」
その声は、まるで恋人の名を呼ぶようで。
とても愛しげであった。



その声に応えるように、薄っすらとイルカの目が開いた。
少しずつ開かれていく瞼は電気の光を眩しげに見ている。
何度か、ぱちぱちと瞬きをしてからイルカは部屋の中を凝視して、ばっとベッドの上で起き上がった。
自分の部屋ではないことに気がついたのだろう。
だが酒を飲んでいた所為なのか、うっと呻くと、こめかみを両手で押さえて揉んでいる。
酔いが抜けていないらしい。
「大丈夫、イルカ先生?」
カカシが冷たい水を持ってきてイルカに渡し、甲斐甲斐しく世話をした。
「ど、どうも。」
カカシを、ちらと見てから水を受け取ったイルカは水を飲んでから一息ついた。



「すみません、あの・・・。」
口篭ったイルカは、どうして自分がここにいるのか分かってない様子である。
しかし、おもむろに立ち上がろうとした。
ふらっと、よろめいたところをカカシの腕に支えられる。
「どうしたの、イルカ先生。」
問いかけられたイルカはカカシの方を見ようとしない。
逆に支えてくれるカカシから離れようとしていた。
「・・・俺、帰ります。」
イルカから、そんな言葉が出た。
「どうして。」
「どうしてもです。」
頑なだ。
「俺、帰らないと・・・。お礼は後日、改めてしますから・・・。」




「そうじゃなくて!」
自分から離れようとするイルカに焦ってしまうカカシだ。
離れようとするイルカの両肩を掴んで自分の方を向かせた。
少々、強引かとも思ったが、そんなことを言っている場合ではない。
イルカの誤解を解かなければならないこと必死だ。
「俺に訊きたいことあるでしょう?」
カカシの言葉にイルカは無言だ。
黙って俯いている。
「イルカ先生!」
肩を掴んでいる片方の手を外してイルカの顎を掴む。
俯いているイルカの顔を、くいっと上げて、やっとイルカの顔を見ることが出来た。
自分を見ているイルカの顔。
大好きなイルカの顔だ。
だが、カカシはイルカの顔を見た途端、言葉に詰まった。
イルカの黒い瞳が、じっとカカシを見つめて・・・。
潤んでいた。
何も言わずに瞳だけが切なそうに何かを訴えている。



その瞬間。
カカシは懺悔するように口走っていた。
「あの、あのですね。」
一心に言い募る。
「イルカ先生が見た、俺と一緒にいた人物ってのは俺なんですよ!」
「・・・え。」
潤んだ瞳が瞬きを繰り返す。
「俺が自分の分身を出して、その分身をイルカ先生に変化させていたんです!」
ついにイルカに真実を言ってしまったカカシであった。





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