AIで普通の動画を3D動画に変換する


brokenbroken5



「は〜、とにかく良かった〜。」
もう一度、溜息を吐くとカカシは肩の力を抜いた。
そして驚くことを言った。
「今日、イルカ先生に告白しようと思っていたのになあ。」と。
それを聞いたアスマは眉を顰める。
「カカシよう、お前なあ。」
タバコに火を点けながら訊いた。
「それ、ほんとか?」



「え、何が?」
対してカカシは目を、ぱちくりとさせて質問の意味が全く分かっていないようだった。
「俺がイルカ先生の想いを寄せているって知っているでしょ。」
「そりゃあ、イルカに対するカカシの態度を見てれば分かるがよ。」
アスマはタバコの煙を吐き出した。
眇めた目でカカシを見る。
「さっき、イルカは悲しんでいたんだぜ。」
「えっ、なんで?」
その言葉にカカシの方が驚いた。
「なっ、なんで?イルカ先生が?」
身を乗り出してアスマに訊いてくる。
「悲しむってなんで?いったい、誰がイルカ先生を悲しませたわけ?」
場合によってはただじゃおかないと気色ばむカカシをアスマは、すっと指差した。



「・・・え、俺?」
カカシは自分を指差す。
「もしかして俺?もしかして、もしかしなくても俺?」
アスマは深く深く頷く。
部屋に沈黙の神が舞い降りてきた。
状況のさっぱり分かってないカカシと面倒ごとにならぬことを願うアスマ。
どこをどう言ったものやら、と二人は考えている。
場の空気を破ったのはアスマだった。
アスマは、とりあえず言ってみた。
「まあ、飲みながらゆっくり話そうぜ。」
時間はあんだろ、と言うとカカシは「そうだ〜ね。」と少し落ち着いたのか、やっといつもの調子を取り戻してきたのだった。



「駆けつけ一杯。」とアスマはカカシに酒を注ぐ。
「あ、どうもね。」
カカシはイルカの使っていたグラスで当たり前のように酒を飲む。
ついでにカカシの胡坐をかいた足の上にはイルカの頭が乗っていた。
カカシが「畳の上じゃ首が痛くなるかもしれないから。」と寝ているイルカの頭を、そっと自分の上に乗せたのだ。
「そりゃあ、何の意味があるんだ?首が痛くなるなら座布団でも枕代わりにすりゃあいいだろ。」
呆れたようにアスマが言うとカカシは笑いを浮かべる。
その笑いは、どちらかと言うと、にやにやっとした形容詞が似合っていた。
「えー、だってさー。」
イルカの寝顔を間近で見てカカシは、でれっとしている。
「膝枕って男のロマンじゃん〜。」
「ロマン・・・。」
「好きな人に膝枕をやってもらうのも、やってあげるのも夢だったしねえ。」
「あー、そうかそうか。」
気のない返事をアスマは返した。
カカシの言う、男のロマンには余り興味がなかったのだ。



「あー、あとね。缶ジュースとかで間接キスとか、病気で弱ったイルカ先生を後生大事に看病しながら口移しで薬を飲ましてあげるとか、そういうのも夢なんだよねえ。」
水を得た魚のようにカカシは次から次へと話している。
にこにこ、と、それはそれは嬉しそうに。
「それから人前でさり気なく仲良しアピールしてみたいな〜。手を繋いだりさ、あ、指を絡めたやつね。先に帰っていてくださいとかって家の合鍵を渡しあったりしちゃったりして。」
カカシの周囲は目には見えなくとも、確実に空気が薔薇色に染まっていた。
そして話題も思い切り、ずれてきている。
「カカシ。」
嬉しそうに話すカカシに遠慮というか、なるべく遠く離れたところにいたかったアスマだったが話が進まぬと渋々、カカシにストップをかけた。
「本題に戻そうぜ。」
いつまで経っても話が終わんねえ、とぼやいている。




「まあ、ともかくだ。」
カカシと会ってからの何度目かの、まあ、をアスマは言い、イルカから聞いた話の要点を簡潔に話した。
「・・・という訳でイルカは悲しんでいたんだ。」
そこでアスマはカカシに厳しい目を向ける。
「お前、イルカ一筋だと思っていたんだが、そうじゃなかったのか?」
カカシが一緒にいたと言う、黒い髪の人物のことを暗に指摘した。
「俺はイルカ先生、一人だけしか好きじゃないし。アスマの言うとおり一筋だよ。」
「じゃあ、なんでだ?さっき、告白とかなんとかほざいていたじゃないか。なのに、他の誰かといるなんて・・・。」
「あー、それは本当だ〜よ。告白はね〜。」
へらっとカカシは照れ笑いを浮かべた。
「今日は大安吉日だし、運勢的にも好きな人に告白したら絶対に上手くいく日だって占いの雑誌に出ていたし。」
運命の日なんだ、とカカシは拳を握って力強く言う。
「告白のチャンスを長いこと待って、その間、イルカ先生と親密度を上げていたんだよね。」
「・・・それでか。」
アスマが何かを思い出したかのように脱力した。
「それで、占いの雑誌をやたら買い込んで上忍の控え室で目を皿のようにして読んでいたんだな。」
ずっと疑問に思っていたアスマだったが、謎が今、解けたのだった。
年頃の少女が読むような占いの雑誌を読むカカシを多少、不気味に思っていたので謎が解けて良かった、と心密かにアスマは安堵した。



「で?」
吸い終わったタバコを灰皿でもみ消し、酒を飲みアスマは尋ねた。
「イルカが見た、カカシと一緒にいたやつってのは誰なんだ?」
「あー、それは・・・。」
カカシは目を泳がせる。
答えたくないようだった。
「言わなきゃ駄目かなあ。」
「俺に言わなくてもいいが、イルカには言えよ。」
「うーん、大したことじゃないんだけど・・・。」
「大したことじゃないなら、イルカが悲しんでいたのは何でだよ。」
「そう言われるとねえ。」
あーだこーだ、と言い訳しながらカカシは事と次第をアスマに口止めの約束させてから話し出した。



カカシの話を聞き終わったアスマは、ちょっと冷たい目でカカシを見る。
「だから話したくなかったのに・・・。」
顔を顰めてカカシは罰が悪そうにしていた。
気まずいのか酒をあおる。
「絶対、多分、変人ぽいって思われそうだから言いたくなかったんだよなあ。」
「まあ、そうだなあ。」
アスマは止めをさした。
「変人ぽいっていうか、変人だな、それじゃあ。」
止めを刺されてカカシは、がくりと項垂れたのだった。




brokenbroken4
brokenbroken6






text top
top