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憧れの人8



「ずるい!」
キスが終わってからイルカの言った言葉である。
「え、ずるい?」
カカシは目を、ぱちくりとさせた。
「何が?」
「カカシさん、カッコよすぎます!」
「あ、俺ってカッコいいの?」
にやっとしてカカシの顔が緩む。
「そうなの、カッコいいんだ〜。」
カッコいいと言われた顔をイルカに近づけてカカシは、にやついてしまう。
嬉しくて仕方がない。
イルカに好きだと言われてカッコいいと言われて、満足だった。



「あ、あのですね。」
防御するかのようにイルカは、圧し掛かってくるカカシを手で押し返した。
「そ、それより、こんなことは二度とないですよね?」
巧みに話題を逸らしてくる。
「こんなこと?」
面白がってイルカを押し倒していたカカシは動きを止めた。
「こんなことって記憶を失くすこと?」
「そうです。」
急いでイルカは頷く。
「カカシさんは優秀な忍者ですから、もう記憶を失くすことってないですよね?」
「まあ、多分ねえ。」
自信なさそうにカカシは眉を顰める。



「でも、任務では何が起こるか分かりませんからねえ。あと、余計なことを考えなければ大丈夫だと思いますけど。」
「余計なこととは?」
「主にイルカ先生のことかなあ。」
「俺のこと?」
そうそう、とカカシは楽しそうな顔になった。
「任務に行くとやることが制限されて、休憩時間とか退屈でつまらなくて、ついイルカ先生のこと考えてしまうんですよね。」
今回はそれで油断しました、とにこやかに言う。
「それじゃ駄目じゃないですか。」
「そうは言ってもイルカ先生も俺がいないとき、俺のことばっかり考えているでしょう?」
「うーん、そうですねえ。」
イルカは腕組みをして考えた。
「どうですかねえ。仕事の時は仕事のことだけで、精一杯ですから。」
「えー、イルカ先生。愛が足りません。」
カカシが不満の声を上げる。
「仕事は別です。」と、きっぱりイルカは言い切った。



「俺、今回のことで思ったというか、解ったんですが・・・。」
神妙な顔になったイルカは真面目に言った。
「忘れられてショックを受けましたけど急に、もう会わないと言ったりして極端だったなと反省しました。」
ごめんなさい、とイルカは頭を下げる。
「でも、俺・・・。」
すっと息を吸い込んだイルカは、すっと息を吐き出し、心を落ち着けようとしているのか胸に手を当てた。
「また、忘れられたら今度は・・・。」
目を瞬かせてカカシを見る。
「今度は・・・、二度目は駄目かもしれません。」
「駄目って?」
イルカの言い方にカカシは不安を覚える。
「また、カカシさんが記憶を失い、俺のことを忘れたと言われたら、もう思い出してもらわなくてもいいと考えると思うんです。」
「どうして・・・。」
俯いたイルカはカカシの顔を見ようとしない。



「・・・実は前に。」
前とは、いつのことだろうか。
「前に失恋した時に言われた言葉と、カカシさんが言った言葉が同じだったから。」
悲しそうにイルカは告白した。
「あなたのことなんて解らない、記憶にないと言われて・・・。」
今まで忘れていましたがカカシさんに言われて思い出しました、とイルカは言ったのだった。






憧れの人7
憧れの人9





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