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憧れの人15



「はー、死ぬかと思った〜。」
木の葉病院のベッドの上でカカシは、ほっと一息ついていた。
「いやー、もう少しで死ぬかと思っちゃったな〜。」
包帯で、ぐるぐる巻きになっているカカシは自分が上忍師となって指導している子供たち相手に喋っている。
「もー、カカシ先生ってば強いんでしょう?上忍なのに、こんなに怪我しちゃって。」
全く、もう、と桃色の髪の女の子は手を腰に当てた。
まるで、お姉さんのようだ。
「本当だってば、怪我して意識不明って聞いた時は驚いたってば。」
傍らで金髪の子供も言う。
「ま、生きていてよかったってことだな。」
無愛想な黒髪の子供は、やれやれといった感じだった。



カカシは敵に囲まれ殺される、寸でのところで仲間に助けられた。
大怪我をしたカカシは、現在、病院に入院している。
そこへ、子供たちが見舞いに訪れたという訳だ。



「そういえば、さっき、お医者さんが言っていたこと大丈夫ですか?」
桃色の髪の女の子が心配そうにカカシの顔を見た。
「ああ、あれね〜。大したことないんじゃないの。」
カカシは、のんびりと答える。
「今、不都合が生じないってことは、きっと日常生活に特に不便はないだろうしね。」
「そう・・・、だったらいいんですけど・・・。」 なんとなく得心がいかないという顔を桃色の髪の女の子はしている。




さっき、医者が言っていたこととは・・・。
カカシを診断し治療した医者が、一点だけ気になることを言っていたのだ。
「怪我は数週間すれば完治します、退院は一週間もすればできるでしょう。」
それから、と医者は難しい顔をした。
「はたけ上忍が意識を失われる前に御自分で掛けられた、木の葉の記憶喪失術ですが、こちらは問題なく解術し記憶は復元できました。」
記憶喪失術とは、木の葉の里の情報の漏洩を防いだり秘密保持を保つために自らに施す木の葉の里独自の術だ。
これは木の葉の里独自の術なので木の葉の忍や医療に携わる者でなければ、解術できない。
解術すれば記憶は総て、元に戻る。
「しかし、はたけ上忍は・・・。」
医者は言い難そうにカカシに告げた。



「この記憶喪失術を掛けられる前に、記憶に関する何らかの術を御自分に掛けている痕跡が見受けられました。それによって・・・。」
それによって、と一旦、言葉を切った医者は顔を顰める。
「記憶に障害がでている可能性があります。」
「記憶に障害って?」
カカシが聞くと医者は簡潔に説明した。
「どこか記憶に抜け落ちた部分、簡単に言えば『失ったままの記憶がある』可能性が高いということです。」
医者は深刻そうに話していたが、カカシは「ふーん、大変だねえ。」と何だか他人事のように感想を述べる。
「ま、いーよ。」
肩を竦めたカカシは「失ったのが何の記憶か分からなけりゃ、どうしようもないしね。」と焦った様子もない。
「考えるのは後でいーよ。」
それがカカシの結論であった。



その様子を見舞いにきた子供たちは邪魔しないように見ていたのだ。
そして桃色の髪に女の子の発言に至る。
「さっき、お医者さんが言っていたこと大丈夫ですか。」と。
「分からないもんは、しょうがないでしょ。」
カカシは欠伸をしながら反論した。
「何もできないよ〜。」
「それは、そうですけど・・・。」
「あ、そうだ!」
金髪の子供が、カカシと桃色の髪の女の子の会話を遮るように大声を上げた。
「なによ、煩いわね。」
「俺さ、ここに来る前にカカシ先生のことイルカ先生に教えてきたってば!」
「それは気が利くな。」
黒髪の子供が呟く。
「最近、イルカ先生はカカシと仲が好いからな。教えてやってよかったんじゃないか。」
「うん、そうだってば!イルカ先生、手が空いたら病院に来るって言っていたってば。」
「だって、カカシ先生。」
桃色の髪の女の子は「良かったですね。」と、にこりとする。



「・・・イルカ?」
その言葉にカカシは眉を潜める。
「イルカって・・・。誰かの名前?俺、その人のこと知っているの?」
カカシの言葉に三人の子供たちは固まる。
「え・・・。覚えてないの?」
「イルカ先生だってば。」
「あんなに毎日のようにイルカ先生イルカ先生って言っていたじゃないか。」
三人の子供たちの言葉にカカシは首を振る。
「俺、そんな人、知らないよ。」



その時である、病室の入り口付近で慌しい人の気配がした。
扉が開けられて誰かが息を弾ませて入ってきた。
カカシは思わず、その人物を凝視する。
年若い黒髪の男性だった。
顔つきは穏やかで目が優しく、どこか惹きつけられる。
素直な心根が体から滲み出ているような感じだ。
だが全く、顔に覚えがない。
だからカカシは言ってしまった。



「誰〜?俺の知っている人かな?悪いけど覚えてないんだよね、あなたのこと。記憶にないんだよね〜。」
全然、知らないし分からない、と悪気なくカカシは言い「忘れちゃって、ごめんね。」と謝ったのだった。






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