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我が家2




次の日の朝早く、イルカは任務に発つために早く起きて、準備や装備を点検していた。
イルカを見送るためにカカシも早起きをする。
胸の中はイルカの誕生日のことで、もやもやと煙っていた。
玄関先でイルカに、思い切って聞いてみた。
「イルカ先生。あのさ。」
「何ですか?任務なら、そんなに危なくないので心配いりませんよ。」
「そうじゃなくて。」
イルカは自分の誕生日を忘れているのだろうか?
多分、今は任務のことで頭がいっぱいなのかもしれない。
「えーとね、何か欲しいものとかないのかなあって。俺に買っておいてほしいものとか。」
イルカの欲しいものを贈れば、イルカは喜んでくれるとカカシは考えた。

カカシはイルカに誕生日を覚えていてもらって嬉しかった、その気持ちをイルカにも伝えたかったし、また、恋人に誕生日を祝ってもらう嬉しい気持ちを味わってほしかったのだ。
「欲しいもの?」
うーん、と暫し考え、イルカは答えた。
「アイス、買っておいてもらえますか。」
「アイス?」
「はい。昨日、冷凍庫見たら、もうなかったんですよね。ほら、カカシさん、お風呂上りにアイス食べるの好きでしょう。」
買うの忘れていたんですよね、とイルカは言う。
「それは買ておきますけど。そうじゃなくて、俺のじゃなくてですね・・・。」
「あ、もう行かないと。」
時計を見たイルカが急いで荷物を背に負った。
「話の続きは任務から帰ってきてからでいいですか。」
イルカが任務から帰ってきてからでは遅い。

「あの、イルカ先生。」とカカシは、もう少しだけ引きとめようとしたのだが「行って来ます。」と言ってイルカは玄関を飛び出した。
集合場所に走って行ってしまい、直ぐに姿が見えなくなる。
「・・・イルカ先生、行ってらっしゃい。気をつけてね。」
姿の見えなくなったイルカにカカシは呟いた。
「あーあ。」と肩も落とす。
聞きたいことが聞けなかった上に、出掛ける前の習慣となっていることも出来なかった。
すなわち、行ってらっしゃいとイルカを抱きしめることだ。
できたら、キスもしたかった。
なんだか上手くいかなくてカカシは、がっくりと落ち込んだのだった。




イルカが任務に出てしまって、一人きりになったカカシは悶々と思考を巡らせていた。
七班での任務中も、上の空である。
「カカシ先生、今日は変よ?」と、到頭、サクラに言われてしまう始末だ。
「あー、ごめんね。」
「何か悩みでもあるんですか?」
サクラは心配して聞いてくれたようだ。
「あー、うーん、ちょっとね。」
言葉を濁すと、サクラは何かしら、ぴんときたようだ。
「もしかして恋の悩み!」
「うーん、そう・・・・・・かなあ。」
カカシが悩んでいるのは恋ではなくて、恋人の誕生日について、であった。
「中々、こう、言いたいことが伝えられなくてねえ。」
イルカが誕生日に欲しいものが聞けず、誕生日を祝いたいことも伝えられない。
「告白するの?カカシ先生。」
サクラの目が、きらきらと輝いた。
「ちょっと、違うけどね。」
「そういう時はですね。」
内緒話でもするようにサクラは小声で言う。
「その伝えられない気持ちを紙に書くんです。」
「へええ、紙にねえ。」
「ラブレターですよ!カカシ先生。」
「頑張って!」とサクラは楽しそうに笑った。




紙に自分の気持ちを綴る、それはとても名案のように思えた。
「ラブレターか・・・。」
その言葉にカカシは心が、ときめいてしまう。
「俺がイルカ先生にラブレターを贈る。」
カカシは一回もラブレターを書いたことがない。
イルカがラブレターを受け取った時の甘い雰囲気を想像して、カカシはうっとりとしてしまった。
「すごく、いいかもなあ。」
自分の気持ちを書き綴っておけば、少なくとも、それをイルカの誕生日に渡すことができるはずだ。


カカシがイルカを好きな気持ち、どうしてイルカを好きなのか、イルカの好きなところを挙げると切りがない。
そして、誕生日についての自分の気持ちを言葉で書けば上手く伝えられるような気がした。
「よし、書いてみるか!」
ものは試しとカカシは、その夜、イルカへと手紙を書き綴ってみた。


「たくさん、書いたなあ。」
存分に書き、気がついたときには書いていたテーブルの上には、イルカへの想いを書いた紙が幾重にも重なっている。
そして外は明るくなり、朝になっていた。
「徹夜か・・・。」
眠い目を擦りながらカカシは欠伸をした。
とても眠いが、爽快感がある。
全力で遣り切ったとカカシは満足した。

書いた紙を数えると丁度、二十六枚、イルカの誕生日と同じ数字だ。
先行きが良さそうだ。
ますます満足したカカシは、紙を揃えて封筒に入れた。
封筒に封をして、宛名を書く。
『海野イルカさま』と丁寧に書き、大事に任服のベストの内ポケットに入れたのだった。




我が家 1
我が家 3








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