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十年後 6



「イルカ。」
にこりとするのは、紛れもなくカカシだった。
十年ぶりなので容姿は大人びていたが、笑顔は変わらない。
「久しぶりだね。これ、覚えてる?」
「あ、ああ。」
文面の内容を思い出して、俺はちょっと引き攣った。
「覚えてるけど。」
けど。
覚えてるだけだよ。



その文面は。



十年の間に再会したら何でも言うことをきく
但し一つ
俺の出来る範囲で

海野イルカ



と子供騙しのような文が下手くそな字で書いてあった。




まさか、と思うけど本気にしてないよな。
子供の発想で書いたものだし。
俺達、もう、いい大人になったし。
「あの、カカシ。これが何か。」
だって、これはあの時、少しでもカカシに元気を出してほしくて。
生きてほしくて書いたものだから。
その、そんなに深い意味はない。




「これね。」
カカシは嬉しそうに話す。
「約束を果たしてもらおうと思ってね。」
「約束・・・。」
「うん、何でも言うことをきくってやつね。」
それか。
「でも、あのう。」
高い物を要求されても無理だよ、と言おうとしたら。
先に言われた。




「俺、明日誕生日なんだー。」
「はあ。」
それは覚えているよ。
誕生日には毎年、どこかにいるカカシに心の中でおめでとうを言ってきた。
今年も言うつもりだった。



「でさ、今年の俺の誕生日で別れてから十年になるし、慌てて里に帰ってきたんだ。」
別れてから十年の間ってやつの間にね、だって。
でないと十年の期限が切れるでしょ、って。
ふーん、そうなんだ。
だったら。



「お帰りなさい。」
お疲れ様の意味をこめて、微笑んだ。
するとカカシは、はっとしたように頬を染めて。
「ただいま。」と答えてくれた。




十年後 5
十年後 7



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