AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


十年後 7



「良かった、生きていてくれて。」
「ま、まあね。」
カカシは何故か、たじろいでいる。
「ずっと心配していたんだよ。また会えて嬉しいよ。」
「うん・・・。その、イルカ。」
カカシは何かを言い難そうにしている。
「何?」
変わってないなあ、カカシ。
あの頃を思い出して嬉しくなる。



嬉しくなって。
「ねえ、再会したお祝いに飲みに行こうよ。」
もう、お酒は飲めるんだろ?と手を引っ張った。
話したい事があるならお酒を飲みながらでもいいだろう。
カカシは、先ほどの紙を懐にしまいながら。
「いいよ、もちろん。飲みに行くよ。」
でもね、と釘を指した。
「約束は忘れないでね。」
「ああ、あの何でも言うことをきくだろ。忘れてないよ。」
「そう、なら、いいよ。」
カカシは、にこりとしたけど。
それが不適に見えて。
「でもさ、書いてあるけど出来る範囲でだからね。」
それから一つだけだよ、と念を押した。



「大丈夫だよ。イルカにしかできないことだから。」
「そっか。」
「後でゆっくりじっくり聞いてもらうよ。」
「うん。」



何だか分からないけど大丈夫そうだ。
手を引っ張って歩きながら俺は思い出した。
カカシを振り返る。


「言い忘れていたよ。」
今年は本人に言うことが出来る。




「誕生日おめでとう、カカシ。」




「ありがとう、イルカ。」
カカシが目を細める。


これからは、ずっと一緒にいられるね、と付け足した。


するとカカシが驚いたように目を見張る。





「イルカ、それが俺の果たしてもらいたい約束だよ。」
何でも一つ言うことをきいてくれるって云ったから、真っ先にそれが頭に浮かんだんだ。
「だから十年頑張ったんだ、生きてこられた。」
カカシがうわ言のように呟き。
俺は引いていた手を逆に引かれて。
ぎゅっとカカシに抱き締められた。
「これからは俺と一緒にいて、イルカ。」
俺もカカシの背に手を回す。
「うん、いいよ。一緒にいよう、カカシ。」
きっとだよ、ずっとだよ、とカカシは俺を抱き締めながら言った。






俺はこの時、友人として抱擁したつもりだった、のだが。
カカシは違ったらしい。
違うということは、後々知ったんだけど。
初めて会ったときから俺が気になってしょうがなかったということも、後々知ったんだけど。



俺とカカシの抱擁には大きな認識の違いがあったのだ。
俺は友情、カカシは・・・。
愛情だった。



それが判明した時には、本当に驚いた。
でも。
カカシには、自分の気持ちに気づく切っ掛けに貰っただけで。
とっくに俺の気持ちもカカシと同じだったのだ。
でなけりゃ、十年もカカシのことを待ったりしないよね。



十年前の約束を果たして。



そうして俺達は結ばれたのだった。



終り




十年後 6



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