AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


二人の家 3





「大変だぞ。」
息を切らして受付けに駆け込んできた忍がいた。
「山の方で雪崩が起きて、任務に行っていた何人かが巻き込まれたらしい。」
雪崩!
一気に血の気が引いた。
俺は音もなく、すっと立ち上がると駆け込んできた忍の前へ一瞬で立つ。
「どういうことだ?」
詳細を話すように強く促した。
駆け込んできた忍びは息を飲むと息に話し出した。
「夕方近くに雪崩が起き、雪山で任務していた帰還途中の木の葉の忍が巻き込まれ、救出作業中との連絡が。」
「それで?」
「それで、巻き込まれた最後の一人が見つからないと。」
俺の声は鋭く尖った。
「それは誰?」
嫌な予感がする。
「海野イルカです。」
予感は的中して、背中に冷たい汗が流れ落ちた。
「場所は?」
脅すように聞き出してから、俺はイルカの元へ全力で向かったのだ。
救出に向かうように要請なんてないけど、じっとしてはいられない。
緊急時なんだから、火影さまには事後報告で許してもらおう。




イルカ。
直ぐに行くから待っていて。
胸がきりりと締め付けられて、俺は走る速度を更にあげた。








ベッドの中のイルカが薄っすらと目を開けた。
ぼんやりとしている。
「イルカ?」
静かに呼びかけると、ぼんやりと俺を見る。
イルカは一度、目を閉じた。
次に開けた時には焦点が定まっており俺をしっかりと見る。
力のない声が聞こえた。
「・・・カカシ?」
「うん、俺だよ。」
「・・・ここ、病院?」
「そうだよ。」
イルカの意識がはっきりしたことで俺は、どっと体の力が抜けた。
心底、安心したのだ。
気がついて良かった、本当に。






長い時間、イルカは雪の中に埋まって冷たくなっていた。
皆が救出された場所から、少し離れたところに埋まっていたので発見が遅れたのだ。
俺が駆けつけた時は丁度、発見された時だったのだが、その体は冷たく凍えていた。
応急処置を施したものの、一刻も早く病院に連れて行かなくてはならないのは一目瞭然で、そんなイルカを俺が背負って木の葉の里まで連れて帰ってきた。
背負ったイルカの体は総ての暖かさが奪われていて氷のようだった。
俺は、ぞっとする。
このまま、もしも、イルカが、と最悪なことが頭を過ぎった。




・・・イルカ。
ちゃんと言われたとおりにケーキも買ったんだから。
二人で一緒に食べようよ、と何回も心の中で話しかけた。
だから。
だから、頑張って、と。






「今日、何日?」
イルカが頼りなさそうに聞いてきた。
「・・・二十六日だよ。」
がっかりしそうだから言いたくなかったけど、正直に答えた。
イルカは病院に運んでから二日間ほど意識がなったんだ。
俺はイルカに付きっ切りで病院にいた。
「そう。」
辛そうにイルカは目を瞑った。
睫が微かに震えている。
再び開けた時は、寂しげに少し笑っていた。
「ごめんね、カカシ。」
「え?」
「・・・クリスマスだったのに。」





二人の家 2
二人の家 4



text top
top