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「帰りましょ。」
俺達の家に。
手を差し出すと、イルカ先生は握ってくれた。
ぎゅっと力を入れてくる。
「カカシさん。」
「なあに?」
「俺の記憶は、もう戻らないそうなんです。」
「うん。」
「あなたに五回も告白されたことも記憶にないんです。」
「うん。」
「それでもいいですか?」
一緒にいてもいいですか、と聞いてくる。
「うん、一緒にいてくれないと困るな。」
「困るんですか?」
「うん、好きな人と一緒にいないと駄目なんだ。」
二人でいないと駄目なんだ。
「ずっと一緒にいようよ。」
「ありがとう。」
イルカ先生は目を伏せた。
「ありがとう。」と繰り返した。






「イルカ先生。」
努めて明るい声を出した。
「五代目は記憶は戻らないって言っていたけど、もしかしたらさ。」
もしかしたら。
「奇跡が起こって記憶が戻ることもあるかもよ。」
え、とイルカ先生が俺を見た。
「世の中、何が起こるか分からないし。」
繋いだ手を握り返した。
「こうしてイルカ先生といることが、俺にとっては奇跡だし。」
にこりと笑って、顔を近づけた。
「イルカ先生、大好き。」
記憶があってもなくても。
イルカ先生であることには間違いない。
「カカシさん。」
イルカ先生の瞳が揺らめいた。
「好きです、カカシさん。」
そう言って、俺の大好きな顔で。
笑った。






それから、一つ誓ったことが。
嘘はつかない。
絶対に嘘をつくのはやめよう、と。






イルカ先生はあれから、俺の傍にいて笑ってくれている。
告白を五回も断ったことを気にしていて、理由を考えてくれた。
「きっとカカシさんのことが好き過ぎたんでしょうね。」と嬉しいことを言ってくれる。
大切な記憶が戻らないけど。
俺が、その分大切にするから。



俺は人生で一番大切にする人を手に入れたのだった。









終り





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