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それからどしたの?うさぎちゃん 1



任務帰り、一匹の野兎を見かけた。
罠に嵌って苦しそうにもがいている。
罠を仕掛けた者に悪いと思いながら、俺は兎を罠から助け出した。
左の後ろ足から血を流しているので、持っていた傷薬を塗り森に放した。
兎は、一度振り返り森の中に消えた。



その直後、俺は敵と戦うことになった。
巻物を隣国に届けるという簡単な任務の帰りだ。
さっき、兎を助けて、一日一膳したのになあ。
と思いつつ、罠を仕掛けた者にとっては、俺は獲物を逃がした悪い奴だよな。
つまり、一日一膳ではなく一日一悪。
考えようによっては、そうなるかな。
となると、今の状況は妥当としか思えなくなるから不思議だ。
ともあれ、そんなことを悠長に考える前に逃げないと。

敵は四人。
四方を囲まれている。
さて、どう逃げようか。
実は右足には敵から投げられたクナイが当たって血が流れているし。
内勤だからって、鍛錬を怠っていたつもりはないんだが。
やっぱり練習と実戦は違うんだなあ、と実感しつつ。
アカデミーでは、このことを生徒にしっかりと教えようと心に誓う。
百の練習、一の実戦だ。
でも、この状況では生きて帰れるか怪しいなあ。



敵の一人が煙玉を出してきた。
「ふはははは。受けてみろ、この新兵器を!」
声高らかに言い、自信満々に煙玉を投げつけてきた。
白い煙が上がって、辺り一面、煙に包まれる。
この状況では俺も煙を吸ったが、敵も煙と吸ったに違いない。
煙玉を投げた意味があるのか疑問に思いつつ、少し経つと煙が流れて周囲の状況が見えてきた。
そこには。


目の前には円らな瞳の兎が四匹。
え?敵は?と思って自分を見ると目に入ったのは、ふわふわのグレーの毛皮。
もこもこして気持ちが良さそうだ。
って、違う!
何だ、これ?
敵も兎なら、俺も兎ってことか?



戸惑って敵を見ると、一匹の兎が三匹の兎に囲まれていた。
囲まれている兎は多分、煙玉を投げつけた敵なんじゃないかなあ。
味方に、何やってんだバカヤローと言われているような気がする。
囲んでいる兎は妙に殺気立ってるし。
囲まれている兎は、すごいしょげている。
そして囲んでいる三匹の兎の一匹が、どんと、しょげている兎に体当たりして。
俺の方を睨むと、四匹連れ立って森の奥に消えていった。






とりあえず、この場は命が助かったらしい。
敵のミスで。
俺の実力で助かったのではないところが悲しいが、それは、まあ置いといて。
さてと、里に帰還するか。



・・・兎のままで?
そりゃ駄目だろ?
だって兎だもん。
どうやって解術したらいいんだろ?
人間の姿に戻りたいんだけど。
どうしよう。



そんな時、森の中から一人と一匹が現れた。




それからどしたの?うさぎちゃん 2



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