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恋する気持ち



カカシに連れられて火影室を出たイルカであったが・・・
やっぱりカカシといると、どきどきしていた
手を引かれて歩いているのだがカカシの顔を、どうにも見られない
カカシといるだけで胸がいっぱいになって言葉が出ないのだ
せめて手を離してくれたら、と思うのだがカカシは離す気はないらしい
犬の耳と尻尾を生やしたイルカが上機嫌にカカシに手を引かれて歩いているところを何人もの 人間に見られているのだが今のイルカでは、そこまで気が回らなかった
見ている人の眼差しが少しイルカに同情的なのは気のせいか・・・



これってカカシさんのことが好きだから、カカシさんといると緊張して息をするのも苦しくなるのかなあ
カカシといると動悸が激しくなり、時には倒れてしまいそうなほど胸の鼓動が収まらないことがあるのだが
でも・・・
イルカは握られているカカシの手を見る
嫌じゃない、カカシさんといることは
ほんのりと手からカカシの体温が伝わってきて、ほっと安心感を覚えた
今までカカシさんといる時は逃げてばかりいたから、こういうのって・・・
いいなあ、とイルカは思う
もしもカカシさんとずっと一緒にいられたら・・・
カカシに対して警戒心が、すーっと解けてなくなってしまっていく



「あ、着きましたよ、イルカ先生」
イルカが、ほんわかした気持ちになっていた時カカシが言った
「ほら、ラーメン屋さん」
朝からラーメンなんて、と思われそうであるがラーメン屋に着いたイルカの顔は、ぱっと輝いた
そこはイルカが通い詰めている贔屓のラーメン屋である
「食べていきましょう」
イルカを促し店内へと入るカカシ
カウンターに並んで座りながらカカシは訊いてきた
「何、食べますか?」
「そうですね」
迷いながらもイルカは、いつものラーメンを注文する
ここの店のラーメンは、どれも美味しいからいつも迷ってしまうのだが結局は同じラーメンを頼んでしまう
カカシも同じラーメンを注文した



注文を受けて、すぐにカカシとイルカの目の前には湯気の立つ、なおかつ食欲をそそる様な匂いを漂わせてラーメンが来た
「わ、すっごい美味しいそう!」
イルカの耳が忙しく動き、尻尾もまた、ぱたぱたと動く
「食べましょうか!」
カカシに言われてイルカは頷いた
手を合わせて「いただきます!」と言うとラーメンを食べ始めた
熱いラーメンを、ふうふうしながら食べるのは至福のひと時だ
火傷しそうなラーメンのスープを啜ると体の芯から、あったまるような気がする
隣にカカシがいても食べれないなんてことはなかった
ちら、と隣のカカシを見ると、やはり美味しそうに食べている
誰かと一緒に食べるって一人で食べるよりも倍、美味しく感じるかも
徹夜明けで腹ペコだったので、あっという間に全部、食べてしまった
「美味しかった〜」
心の底から、そう言ってイルカは満足そうな顔をする
箸を置いて「ご馳走さまでした」と手を合わせた
横に座っていたカカシも既に食べ終えていた
「ご馳走さま」と箸を置いている
銘々に支払いを済ませて店を出た



店を出てからカカシに、またもや手を握られたのだが今度はイルカの方から素直に手を握れた
「どうしたの、イルカ先生」
カカシがイルカの変化に驚きながら、からかうように言う
「手を握り返してくれるなんて・・・、俺は嬉しいけど」
微笑んだカカシに「ええ、まあ」と言葉を濁す
少しずつではあるがイルカの気持ちに変化が現れていた
カカシのことが好きという気もちが、恋愛感情を含んだ好きになってきている
「さっきは初めて一緒に食事もしてくれたしね」
「それは・・・」
イルカは自分の感じたことを少しずつカカシに話し始めた
歩きながら、ぽつりぽつりと話す



「カカシさんといると緊張して、その緊張感が嫌で逃げていたんですけど」
話すイルカをカカシは穏やかな包み込むような目で見ている
「逃げずにカカシさんと一緒に、ご飯を食べたり話したりする方が楽しいし」
握られている手をイルカは、きゅっと握った、力を込めて
「それに、こうしてカカシさんに触れていると、なんだか・・・」
「なんだか?」
「なんだか、とても安心して」
その先を言おうとしてイルカは頬を赤らめた
照れを隠すかのように耳が伏せられて尻尾が揺れる
「ずっと一緒にいたいなあ、と思ったりして」
こんなことを言ったりしてカカシに嫌われないか、とイルカは思って俯いた
胸が、どきどきしている
このどきどきはカカシに嫌われたらどうしよう、という不安な方のどきどきだ



これが、いわゆる恋愛感情の好きって気持ちなのか?
カカシのことは好きだ、好きだからこそ嫌われたら、と不安になるのだろうか
「そうですね、イルカ先生」
優しい声に顔を上げると、優しい顔をしたカカシがイルカを見つめていた
「この気持ちって何なんだろうって分からない気持ちも相手に触れることによって、やっと分かったり気がついたり しますよね」
「・・・はい」
その通りだとイルカは、こくこくと頷いた
カカシから逃げてばかりいたけれど逃げずに一緒にいたら、自分の本当の気もちが解ってきたのだ
「触れ合うことって大切ですよね」
「はい」
イルカは力強く頷いた
カカシの、その発言の裏の意味を察することなく



「さ、イルカ先生」
話しているうちに、どこかに家の玄関の前に着いた
「ここが俺の家ですよ」
さあ、どうぞ、と玄関の扉を開けられて中に誘われる
「え、俺、自分の家に帰りますけど・・・」
カカシの家に来るなんて思ってもみなかったので困惑して声が出てしまった
「イルカ先生の家には後日、お邪魔するとして」
断定的な口調でカカシは後でイルカの家に行くことを宣言している
「今日は、ま、俺の家でってことで」
「カカシさんの家で何かするんですか?」
不思議そうにするイルカ
「何かって程でもないんですけど〜ね」
にっこり笑っているカカシは、いかにも人が良さそうだった
その笑顔に釣られてイルカはカカシの家に足を踏み入れてしまう



「あ!」
その時だった、カカシが小さく残念そうな声を上げる
「耳と尻尾が・・・」
「耳?」
イルカが頭を触ってみると犬の耳が消えて元の耳に戻っていた
尻尾も同様で消えてなくなっている
「半日はあると言っていたのに思ったより早く消えましたね」
耳と尻尾があるのも面白かったが、やはり本来の姿の方がいい
「そうですねえ」
カカシは犬の耳がなくなったイルカの頭を、そっと撫でた
「耳と尻尾があったイルカ先生も可愛かったですけど」
イルカの手首を掴むと自分の方へと引き寄せた
ここはカカシの家の中でカカシとイルカの二人きりしかいない
誰も見ていない
「いつものイルカ先生も可愛いです」



引き寄せたイルカの体を、ぎゅううっと力を込めてカカシは抱きしめた
全身でイルカを抱きしめてくる
「イルカ先生、大好き」
カカシはイルカの耳に囁いた
その声は低く甘く響く
「すごく好きです」
抱きしめれてイルカの心臓は、かつてないほど早く鼓動した
どきどきが止まらない
止まらなかったが嫌じゃなかった
むしろ、もっと抱きしめてほしい
抱きしめられて、こんな気持ちになるなんて・・・
イルカは自然、目を閉じて抱きしめられるままカカシの肩に頭を預けた
自分からもカカシの体に手を回して抱きしめ返す



すると心の底から安堵感が押し寄せてきた
気持ちが高揚してきて目眩がするほど幸せだ
「カカシさん、好きです」
イルカの口から、そんな言葉が、するりと出る
「好きです、カカシさん」
何回も好きだと言うほど、その気持ちは強く確かなものとなるような気がした
「嬉しい、イルカ先生」
顔を上げるとカカシの顔が、すぐそばにある
目を細めたカカシが、ひたすらイルカだけを見ていた
「カカシさん・・・」
お互い、惹かれるように顔が近くなり、そっと唇が重なった



重ねるだけの静かな口付け
それだけで愛が伝わる
触れ合うことで解ることもある
口付けた後、カカシとイルカは目を合わせて微笑んだ
とても幸せそうに
満ち足りた笑顔であった



いわゆる一つの恋愛感情は
恋する気持ちとなり実を結んだのだった




それはいわゆる一つの恋愛感情 余談



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