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それはいわゆる一つの恋愛感情 1



なんとなく
なんとなく五代目火影の綱手は思っていた
うみのイルカははたけカカシのことが好きなんじゃないかな、と
好きというのは友情とかではなくて、いわゆる恋愛感情で
それは本人に問い質したこともなくイルカのカカシへの態度を見ての憶測に過ぎなかったのだが綱手は密かに、そう確信していた
現に今も
受付所でカカシの姿を見つけたイルカは、ふっと雰囲気を変えた
それは受付所でイルカの隣に座っている綱手に辛うじて、分かるくらいの変化だったが雰囲気が変わったのだ
にこにことして朗らかなのには変わりないのだが、ボルテージが上がったというか
ちら、と横目で綱手はイルカを見る
なんていうか、えーと、そうだねえ
当てはまる言葉を考える
例えて言えば身に纏う空気の色が変わった感じかねえ
今まで爽やかな鮮やかな空色だったのが、若く色づいてきた春のような若草色になったというか・・・
ううむ、と受付所にいる綱手は受付所、そっちのけで考え始めた
なんか、しっくりとこないのだ



考える綱手の横ではイルカがカカシに対して笑みを絶やさず、報告書を受け付けている
カカシに会えて、とても嬉しいといった風に
うきうきしたオーラを振りまいている
「お疲れ様でした、カカシさん」
これは受付に来た者、皆に言うイルカの労いの言葉だ
誰に対しても態度は明るく、決して誰かを贔屓したりはしていない
なのにカカシに対しては雰囲気が、どことなく違うのだ
「報告書は大丈夫ですよ、不備はありません」
「そうですか、ありがとうございます」
イルカを見てカカシは微笑む
「イルカ先生は、いつも丁寧に報告書を見てくれますね」
カカシに褒められたイルカは大仰に手を振って、いや、そんな、と照れている
「それに笑顔が素敵です」
なんて言われたイルカは「やだなあ、カカシさん。からかわないでください」と初々しく頬を染めていた



あ、そうだ!
その様子を見ていた綱手は心の中で閃いた
あれに似ている、と
犬が嬉しい時に、すっごく尻尾を振っている感じに
嬉しい時には犬は千切れんばかりに尻尾を振る
大好きな飼い主に、好きなおやつに、楽しい遊びの時に犬は嬉しい感情を表すために尻尾を振る
イルカに尻尾があったら、きっと今、ふりふりと高速で振られているに違いない
自分の考えに、やっと綱手は納得した
イルカは犬ではないが、犬のように尻尾があったら、ということだけども
・・・ということは
綱手は一つの結論に達した
やっぱりイルカはカカシのことが好きなのではないか、と
同性ではあるけれど、イルカの琴線にカカシの何かが触れたのだ、と



カカシはカカシでイルカのことが、なんとなく気になっていた
どことなくイルカの存在が引っかかる
悪い意味ではなくて、常に心のどこかでイルカのことを考えているのだ
イルカ先生、良い人で親切な人だからかなあ
そう思っていたのだけど最近になって、ちょっとこれは違うぞ、と思うようになっていた
イルカはカカシのちょっとした一言も覚えていてくれたり、カカシが困っていたりすると親身になって協力してくれる
骨惜しみせずに全力で手伝ってくれるのだ



この前もイルカの前で軽い気持ちで、あの古い資料があったら任務がスムーズにいくかもしれない、 と漏らしたら、どこからか見つけてきてくれた
しかも全身埃まみれになって
驚いたカカシがイルカに埃まみれになった訳を訊くと「ちょっと鍵付きの資料室に行ったら、あったので」と言う
そして、わざわざ借りてきてくれたらしい
鍵付きの資料室なんて重要な資料も置いてある場合もあるが、単に使わなくなって押し込んだ埃被った資料もたくさんあり、 簡単にいえば物置のような部屋でもある
忙しくて整理なんてされてないことが多い
そんな中からイルカはカカシのために、カカシが軽い気持ちで言った資料を見つけてきてくれた
非常の恐縮した
他にも、これは、と思うような出来事がたくさんあった
ただの知り合い、今は結構親しくなれたとは思うが、そんな人間に自分のことは二の次にして一生懸命に色々としてくれるだろうか




目の前で照れているイルカを見てカカシは思った
もしかして・・・
カカシは、ある疑惑を持った
イルカ先生って、俺のことが好きなんじゃないだろうか



それはいわゆる一つの恋愛感情 2




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