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食堂で 2




獲物は網に引っかかった。
カカシは妙に楽しくなって目の前のイルカを眺めた。
また、俺の前を通り過ぎようとしたからだ。
最初から素直に座ってりゃいいものを。
イルカは今、カカシの前の席に座り神妙な顔をしてホットケーキを切り分け口に運んでいた。
器用にナイフとフォークを使っている。
唇に付着したメープルシロップを、イルカはペロリと舌で舐めた。
何だかイルカが食べている物が、カカシにはとても美味しそうに見える。
カカシがゴクリと喉を鳴らすとイルカがこちらを見た。
怪訝そうな顔だ。
カカシは顔の布を下ろし口を開けた。
「一口くださいよ。」
イルカの表情が固まる。
そりゃ、そうだろう。
普通は言わない。
食堂なんて人目のある場所で、ましてやお互い男同士で。



何で俺がこんな目に。
イルカは切なくなっていた。
ホットケーキを食べたいのは俺なのに。
目の前の上忍は口をアーンと開けて待っている。
アーンと口を開いている姿も男前で悔しくなった。
信じられない。
だって上忍が中忍に集っているじゃん。



イルカは自棄になりメープルシロップの、たっぷり付いた一切れをカカシの口に押し込んだ。
食堂は遅い時間であったが食べている人間も何人かいて、皆、カカシとイルカに注目していた。
知らない振りしながらもカカシとイルカの動向を気にしていたのだ。
だが元よりカカシは人の目なんて気にしない性質だったし、イルカに至っては目の前のホットケーキのみに関心が集中している。
カカシはモグモグと食べると、また口を開けた。
「意外に美味しいですね。もう一口ください。」



イルカからホットケーキを二口貰い食べてみた。
中々に美味しかったが目の前のシロップがたっぷり付いたイルカの唇と、それを舐めとる舌は何故かもっと美味しそうに感じる。
カカシは視線をイルカの唇から外せなかった。
イルカは、それをどう取ったのか急に食べるスピードが早くなる。
そそくさと食べ終わると紙ナプキンで口を拭い「ご馳走様でした。お先に失礼します。」とカカシに一礼して行ってしまった。



ああ、もったいない。
もう少し、イルカ先生の食べる所を見ていたかったのに。
食堂から出て行くイルカの後姿を見送り、カカシは溜め息をついた。




食堂で 1



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