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月夜の狼男 9




それから、気になっていたことが判明した。
イルカ先生の狼男を知っていると言う件。
「同級生だったんですよ。」
イルカ先生が話してくれた。
「最初は狼男だって勿論知りませんでした。でもね、喧嘩した時に噛み付かれて、カカシ先生と同じように俺も体の一部が狼男になってしまったんです。」
そんな昔から、あいつ、自称狼男はいたのか。
「やっぱり耳が?」
好奇心で聞くと。
「俺の場合は耳と、あと尻尾です。」
尻尾!
「子供のイルカ先生に狼の耳と尻尾が付いていたんですか?」
「ええ、まあ。」
イルカ先生はちょっと照れている。
「三月ばかり、そのままの姿で。変化が失敗したってことにしてアカデミーに通いました。」
俺から誰にも移ることはないし、体調も悪くなったっりしなかったので。
あの時は皆に注目されてかなり恥ずかしかったです、と思い出を話してくれる。

イルカ先生の場合は満月の晩だけの変化ではなくて、日常もそのままだったのか・・・。
俺は満月の晩だけ変化したけど、大人と子供では違うのかな?
それとも掠り傷と噛まれた傷とではウイルスの感染の仕方が違うとか?
「そっか、それでイルカ先生は直ぐに俺の耳のことが分かったんですね。」
「はい。」と頷く。
白に灰色がかった色合いには見覚えがあったので、だって。
自称狼男も一度ウイルスを感染させたことがあるって言っていたけど。
まさか、イルカ先生だったとは。






それからの後日談。
俺の家の縁側に座り夜風に当たりながら。
二人だけで、のんびりしながら、いろいろと話した。



イルカ先生が、何故「俺に好きな人がいるか?」と聞いたのか。
「ずるいようですけど、耳が付いているカカシ先生なら本心を言わなくても本当の気持ちがわかると思ったんです。」
俺も耳と尻尾が付いている時は、嘘を付いたり誤魔化そうとしたりしても皆に丸分かりだったので。
嘘がつけなかったんですよね、と。
まあ、確かに。
「それで、好きな人がいるのに、カカシ先生がいないなんて言うから。」
ショックを受けたらしい。
それは俺も同じなので気持ちはよく分かる。
イルカ先生に好きな人がいると聞かされた時の、あのショックは計り知れない。
「ごめんね。」と手を握ると握り返してきた。
「でも、俺を引きとめようとするのが耳の動きで本当だと分かったので、もしかしたら、と思って。」
でも、そんなことはないと思ったりして。
「一か八かで、言ってみたんです。」
イルカ先生が言ってくれて好かった。
「そしたら、俺が思っていた通りだったので。」
良かったです、とイルカ先生が微笑む。
「うん、ありがとう。」
本当にありがとう。
耳があるからカッコ悪いんじゃなくて。
悩んで優柔不断ではっきりと言わないことがカッコ悪いよね。



「イルカ先生、これから俺、きちんとはっきりと自分の気持ちは伝えますね。」
「はい。」
にっこりと笑うとイルカ先生もにっこりと笑い返してくれた。


自分の気持ちを伝えることは大切だ。
言わなきゃ何も進みはしない。
これからの二人の大事な未来のために。


だから手始めに俺は言ってみた。


「同じ部屋で、一緒に枕を並べて寝てください。」
イルカ先生は、ちょっと笑って。
「いいですよ。」
そう言ってくれた。



そんで俺の耳は満月が三回過ぎると消えてなくなったのだった。



終り





月夜の狼男 8



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