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ねこねこ 1



任務帰りのカカシが、その猫を見かけたのは本当に偶然だった。
木の枝から下りようとして失敗したのか、後ろ足が二又の枝に引っかかって、ぷらん、と木から釣り下がっていたのだ。
白い毛の体に背だけ黒い毛が生えていて、子猫より少し大きいような猫。
どれほど釣り下がっていたのか、猫はカカシを見ると、困りきった情けない顔をして「にゃあん。」と鳴いた。
正しくは泣いたのかもしれない。
猫が木から釣り下がっている光景を見たとき、カカシは思わず噴出してしまった。
「ま、間抜けな猫だなあ。」
木から猫が釣り下がっている、奇怪なオブジェのようにも見えた。
「おかし〜。」
くっくっくっ、と笑っていると言葉が分かったのか、猫が「にゃっ。」と怒った声を出した。
小さな円らな黒い目がじっとカカシを見ている。
「ああ。ごめんごめん。」
ひょいとカカシは木の上に楽々飛び乗ると、片手で猫の体を支えて、もう片方の手で慎重に枝から後ろ足を外した。
後ろ足は長時間枝に挟まれていたのか、触ると腫れているのが分かった。
「痛かったねえ。」
笑ってないで早く外してやれば良かった、とカカシは後悔しながら猫を腕に抱えて木から下りる。
「お前、歩けるかい?」
そっと地面に置いてやると、猫は一度、がくっと転んだ後は体制を立て直して、立つことに成功した。
「足、大丈夫みたいね。」
カカシの声に、猫は振り向き「にゃあ。」と鳴く。
ありがとう、と言ってるらしい。
「はいはい。どう致しまして。」
ヒラヒラとカカシが手を振ると、猫は振り向くことなく去っていった。



「ま、あの分じゃ心配することないか。」
猫の去った方角を暫く見つめ、肩を竦めたカカシは報告をするべく三代目火影の元へと急いだ。






火影から直々に受けた任務であるために、火影に直接報告する。
三代目火影の執務室で、任務の終了及び詳細を報告をしたカカシはあることに気がついた。
三代目の膝の上に何かがいたのだ。
「それは?」
興味の出たカカシは、その何かを凝視した。
白い小さな猫だ。
背だけ黒い。
先ほど助けた猫と非常によく似ていた。
「ん?これか?」
膝の上で丸くなる猫の背を三代目は撫でながら説明した。
「預かりものの猫でのう、甘えん坊なのじゃ。」
「甘えん坊・・・。」
「先ほど、外で遊んで帰ってきおったら、何やら後ろ足を痛めたようでしょげておる。」
ますます、興味が出てきたカカシは猫の方へ身を乗り出した。
「ちょっと、その猫見せてもらえます?」
三代目の返事を待たずに、いやいやと身を捩る猫をカカシは抱き上げた。
白い体に背にある黒い毛、円らな黒い目、ちょっと腫れ気味の後ろ足。
さっきの猫に違いない。
「お前か〜。やっぱり足が痛かったのか。」
なら、無理せずに自分に抱かれていれば良かったのに。
足が治るまで面倒くらい見るのになあ。
猫はカカシが嫌なのか、三代目の元へ戻ろうと暴れ始めた。
にゃーにゃーと三代目を見ては盛んに鳴いている。
しかし、猫がカカシの力に到底適うはずはなくて逃げられない。






カカシが、先ほど猫を助けた経緯を話すと、三代目は苦笑いを浮かべた。
「そんなことが。だから、遊びに行ったまま、なかなか帰ってこなんだったのか。」
おまけに猫として恥ずかしいような目にあっていたのだから、帰ってきてしょげるのも無理ない。
三代目は、なるほどと頷いた。
「あい分かった。では、そろそろ、その猫を離してやらぬか。カカシよ。」
猫は、にゃあーと三代目を見て甘えた声を出した。
三代目の元に早く戻りたいらしい。
しかし、カカシは。
「そういえば、三代目。明日から外遊じゃないですか。その間、俺が猫の面倒を見ましょうか。」
「なんとな?」
「だって、この猫怪我しているし。怪我の原因の一端は俺に無きにしも非ず。タイミング良く、俺、明日から休暇ですもん。」
「い、いや、カカシ。」
「甘えん坊なんだから、誰か一緒にいないと寂しがって駄目なんでしょう。それに預かっているなら、どうせ誰かに世話を頼むんでしょ?」
それなら俺に、と珍しくヤル気になっているカカシに三代目は辟易をしてしまう。
「だが、忍犬の世話があるのではないか。」
「猫が一匹増えるくらい、どってことないですよ。」
俺、動物好きですから、カカシは自分の目線まで猫を持ち上げる。
猫は「にゃっ。」と短く鳴いて、ぷいと顔を逸らした。
絶対いや、と言ってるらしい。
可愛らしい抵抗にカカシは思わず笑ってしまう。
「変なやつだなあ。」と言い、猫がすっかり気に入ったカカシは三代目に確認と云うより確定の感じで言った。
「預かっていいですよね。」
「ううむ。」
三代目は渋い顔だ。
「で、猫の名前は何て言うんですか?」
渋い顔を更に渋くした三代目は、不承不承答えた。



「イルカじゃ。」



「イルカ?」
「そうじゃ。」
猫も、そうじゃと言うに「にゃにゃあ。」と返事をした。
「んじゃ、外遊期間、三日間でしたっけ?その間は俺が面倒見ますからね。」
問題が最初に戻る。
「いや待て、カカシ。」
「心配無用ですって。」
「にゃーっ。」
「大丈夫大丈夫。」
猫を腕に抱えて、上機嫌のカカシは意気揚々と三代目を後にした。



ねこねこ 2



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