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協定者たち12



イルカに一方的に別れを告げられた。
カカシは本人を探して里の中を隅々まで探してみたが姿が見つからない。
こういう時に限ってゲンマもハヤテもいなかった。
それでも忍の任務は受けなければならない。
カカシは、ちっと舌打ちをして。
どうにもならない現実に顔を歪めた。




任務の終わった深夜の帰り道。
里への帰還を急いでいたカカシは、ぴたりと立ち止まった。
気配を一瞬で消す。
里へと続く森の中で、覚えのある気配がしたのだ。
少し遠くから感じる、とても微微な気配であったが。
カカシは慎重に近づく。
この気配は、前にイルカ先生の病室の中から感じた気配と同じだ。
酷く禍々しく悪意だけに満ちていた。
この前のものとは比較にならないくらい、大きく毒々しい。
気配に近づくにつれて、カカシの心臓は勝手に早くなった。
だが、どうしても行かねばならなかった。
何故なら、その恐ろしい気配の中心にカカシの求めていたイルカのチャクラを感じたからである。



只ならぬ様子に本気で気配を消してカカシは近づいた。
万が一に備えて、いつ臨戦対戦状態になってもいいように武器を構えながら。





イルカと思える姿が小さな黒い影となって見えてきた。
だが、そのイルカを囲むように四方にも揺らめく黒い影がある。
それは禍々しい邪気を放ち、人間は持つことができないものだ。
そしてイルカが漂わせている気配も人間のものではなかった。




暗闇でイルカの目が紅い光を放つ、それと共にイルカの体から力が吹き出るようにチャクラが体を覆った。
同時に四方の黒い影がイルカに襲い掛かる。
影同士が幾重に上下になりイルカが無事なのか解らない。
長い時間に感じられたが戦闘は一瞬より短い時間で繰り広げられた。
「ぐっ。」「がっ。」と声がして一旦、影の動きは止まった。
四方の影のうち、二つから血の匂いがした。
そしてイルカの方からも血の匂いがする。



カカシは通常の視力だけで戦いを追うことができなかったので、写輪眼を出して戦いの様子を見守るしかなかった。



一つの影から咆哮が聞こえた。
「死ね。お前など死ね。」
「死んで一族の役に立て。」
おぞましい声が暗闇から響き耳を塞ぎたくなる。
聞いているカカシは声を聞いて体の芯から自然と湧き上がる悪寒を抑えられなかった。
この声は人間が発するものではない。
どちらかと云うと動物や獣に近い声音だ。
「断る。」
暗闇から凛とした涼やかな声がした。
「そんなこと父も母も望んではいない。」
イルカの声だった。
清涼剤のようなイルカの声が森の中に響き渡る。



「一族の延命のために自分の体を差し出すことはできない。」
悲しい響きが篭っていた。
「滅びるべき者は滅びるべきだ。」



静寂が辺りを包む。
だが、それは嵐の前の静けさに感じた。
「やはりな。」
「では殺すまで。」
再び辺りに殺気が満ちてきた。








協定者たち 11
協定者たち 13



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