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Forever Thirty1



カカシはイライラとしていた。
物凄い勢いで周囲に苛立ちを撒き散らし、周りの者にもイライラを移していた。
「ちょっとカカシ止めなさいよ。」
見かねた紅が注意する。
「そのイライラするの、やめてちょうだい。士気が下がるわ。」
「そうだなあ。煙草が不味くなるな。」
横からアスマも同調して頷く。


カカシ、紅、アスマは他の上忍と共に隊を組み、里から遠くの地へ任務に来ていた。
カカシやアスマは主な戦力となるから、存在も大きい。
なのに、その戦力の中心となる人物が落ち着きなく、苛立っていたら周りも不安になるというものだ。


「だってさあ。」
カカシは不満そうに言った。
「もうすぐ、俺の誕生日なのに何で、直前に任務よ?俺、今年の誕生日は楽しみにしていたのに。」
クリスマスより正月より端午の節句より楽しみにしていたのに、とぶつぶつと愚痴を述べている。
カカシは誕生日の直前と言っているが、肝心の誕生日までは十日以上も間があった。
「任務が嫌なわけじゃなくて、何で今?って疑問に思っていたわけ、ものすっごく。」
「あっ、そう。」
紅は「ふふん。」笑うと宣言した。
「誕生日なんて三十歳過ぎたら、どうでもいいわ。」
「なんで?」
「三十過ぎたら時間過ぎるの早いし、年は知らずにくってるし。誕生日が来る度に憂鬱になるだけよ。」
「へええ。」
カカシは面白そうに聞いてから、ぽんと手を打った。



「あ、そっかー。紅って、今、さん・・・。」
きらりと光った、切れ味鋭そうなクナイがカカシの急所に向かって正確に飛んできた。
すんでのところでカカシは避ける。
「馬鹿なやつ。」
アスマが呟く。
こほんとカカシは咳払いをして、逸れた話題を戻した。



「とにかくだ。俺は速やかに任務を終了させて、一刻も早く里に帰りたい。」
「あー、はいはい。」
「分かった分かった。」
紅とアスマは、いい加減に返事を返した。
「ちょっと真剣に聞けって。」
カカシは力説する。
「誕生日は誰にだって一年に一回しか来ないわけ!分かる?」
「そりゃあ、年に何回も来たら困るわね。」
「その誕生日に普段はできないことを強請ろうと、狙って何が悪い?」
「何を狙ってるんだよ・・・。」
紅とアスマは、何故だか溜め息を吐きたくなってきた。



カカシが何かを強請ろうとしている相手は、言わずもがな紅もアスマも知る人物だった。
今は里に置いてきている下忍の子供たちの、元アカデミーの担任で、気のいい好青年の海野イルカである。
何ゆえカカシとそういう仲、恋仲になったのか経緯は不明だったが、カカシとイルカは仲睦まじかった。
決して、外で二人が、いちゃついているという訳ではないのだが、カカシとイルカが二人でいると見る者が納得してしまうような穏やかで優しい空間が醸し出されるのだ。
それは誰もが認めている。



「イルカ先生は、任務での怪我や病気とか心配してくれていたけど、どちらかと言うと俺は誕生日に重点を置いてほしい。」
紅とアスマは相槌を打つのも馬鹿らしくなってきて、惚気とも思えるカカシの戯言を聞き流す。
カカシは言うだけ言って、すっきりしたのか、腰を下ろすとアスマに手を出した。
「ん?なんだ。」
「煙草、一本ちょうだい。」
「珍しいな。」
「偶にはね。」
アスマは煙草を差し出すとカカシは「サンキュ。」と一本抜き取り、火遁で火を点けた。



顔を覆っている布を首まで下げてカカシは、すうっと煙を吸い込んで吐いた。
紫煙が空に立ちのぼっていく。
その煙と見ながら、カカシは里にいるイルカを想った。
「元気かなあ。」
任務に来て二日目だけど、もう会いたくて仕方がない。
「イルカ先生、俺のこと待っててくれてるかなあ。」
ぽつりとそんな言葉が出る。
「愛されてるよね、俺。」

何気なく出た言葉に紅が、くすりと笑った。
「カカシ。結構、愛されてるみたいよ。」
「え?」
「首。」
紅が自分の首元を指差して言う。
「跡が付いているわよ。」
「えっ。」
「ここ、ここ。」と紅がカカシの首を指して持っていた手鏡を貸してくれた。



手鏡を見てみると覆面を下ろして露になった首元に、くっきりと赤く鬱血した跡が残っていた。
ぶるぶる震える手でカカシは鏡を覗き込んでいる。
感動しているようだった。
「これってこれって、キスマーク?」
「そうでしょ。」
「キスマーク!こんなの付けられていたなんて、全然、知らなかった。」
「やるな、イルカ。」
「内緒でキスマークつけるだなんて、なんて可愛い人なんだ。」


最早カカシは紅の言葉もアスマの言葉も耳に入っていない。
最愛の人が内緒でキスマークをつけてくれたということに興奮していた。
「すっげー、嬉しい。」
ちょっと目に涙も滲んでいる。


「紅!」
「何よ?」
「木の葉の里の方角って、どっち?」
「あっちじゃない。」
紅が適当に指した方角に向かってカカシは叫んだ。


「イルカ先生ー!大好きだー!愛してますからねー!」
誕生日までには必ず帰りますからねー!とカカシの叫び声が静かな森に木霊した。


そうして任務は、カカシが望むとおりに速やかに終了したのだが、それは主にカカシの活躍が大きかったという。
紅とアスマはカカシが活躍した理由を知っていたが賢明にも黙っていたのだった。




Forever Thirty2




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