奇妙な三人
土手をのんびり歩いていると土手下の河原に珍しい面々を見つけた。
それは蟲使いのシノ、白眼のネジ、うちの七班のサスケだった。
何を話しているのだろう。
あの三人は特に接点はないような気がする。
仲良しというより、疎遠という方が当てはまると思うし。
好奇心が沸いたので、そっと忍び寄った。
「・・だな。」
「・・・だろう?」
「・・・うむ。」
声が小さくて肝心なところが聞こえない。
もう少し近くにと思い、近寄ると三人がピタリと話すのを止めた。
と思ったら、今度は明らかに聞こえるように話してくる。
「どっかの馬鹿者が聞いてるな。」
「そうだな、馬鹿者が。」
「大馬鹿者が。」
ちょっと。
それって、俺のことかい?
一応、俺は上忍で偉いのよ?
すこーし、頭にきたので姿を現した。
「君達ね〜。」
怒りをこめて軽い殺気を放つと三人は臆することなく、こちらをジロリと見てきた。
「なんだ、カカシか。」
「暇なのか、上忍は。」
「ふん。」
逆に切り返される。
怒りマークが顔中に出るのが自分でも分かったが、大人の余裕でとりあえず聞いてみた。
「こんなところで何してたのかな〜?」
仲好しだね〜と付け加えると三人は冷ややかな目で、こちらを見てくる。
その温度はマイナス三十度くらい。
ダイヤモンドダストが見れそうだ。
「俺達が仲良しだって?」
「視力検査が必要なんじゃないか?」
「上忍も落ちたものだな。」
言いたい放題、言われたい放題。
・・・俺の心は傷付いた。
くっそー、若者どもめ。
目に物見せてくれるわ。
そう思い、左目を隠す額宛に手をかけた時、癒しの声が聞こえてきた。
「おーい。」
遠くから手を振るのはイルカ先生、遠くに見えるのはイルカ先生の姿。
ああ、いつ見ても可愛い。
さっきまでの気持ちも吹き飛び、嬉しくなって手を振ろうとした時。
「イルカ先生ー。」
サスケが半瞬、早く手を振った。
「こっちだ。」
ネジまでも手を振る。
「ごめん、遅くなったな。」
少し、上気した顔のイルカ先生。
走ってきたのだろう。
「いや、俺達もちょうど来たとこだ。」
「そうか?なら、良かった。」
イルカ先生が、にこっと笑うと三人は俺の時とは打って変わって、和やか〜なムードとなった。
これって、イルカ先生効果?
それは痛いほど理解するけど、この三人とイルカ先生の関係は理解できん。
「あ、カカシ先生。こんにちは。」
イルカ先生は俺にも礼儀正しく挨拶してくれる。
「こんにちは。イルカ先生。」
自然と笑顔が出てくる。
なのに、水を注すヤツラがいた。
「じゃ、行こうぜ。」
「そうだな。」
「うむ。」
可愛くない三人組は俺を完全無視して、イルカ先生の手を引く。
そんな三人を諌めたのはイルカ先生だった。
「おいおい、カカシ先生はいいのか?」
優しいイルカ先生。
大好きだ。
ほわわーんとなっていると三人の非情な言葉が聞こえてきた。
「カカシは関係ないだろう。」
「構うことはない、時間の無駄だ。」
「だいたい、白い髪だしな。」
「違う。銀だ、銀。」
大声で否定すると、イルカ先生が慌てている。
「こら、先生に向かって何て口のきき方をするんだ。ダメじゃないか。」
そうだそうだと心の中でイルカ先生を応援する。
だが、三人は無情だ。
「今日は俺達の会合の日と最初から決まっていたのに勝手に出てきたんだ。」
「カカシが悪い。」
「無視するに限る。」
ほんとっに口が悪い三人だ。
でも、気にかかる。
何の会の何の会合?
問うようにイルカ先生を見ると少し照れくさそうに
「実はシノ、ネジ、サスケが黒髪同好会というのを結成したそうなので、それに入会させてもらったんです。」
「は?」
「これには黒髪の人なら入会できるんだそうです。」
「それって・・・。」
お前ら三人、ただ単にイルカ先生と会いたいだけだろうが!アカデミーを卒業して中々会えないから!と心の中で叫ぶも羨ましい気持ちが先行する。
だいたい、何の活動をする会なんだ?
俺の心の叫びも虚しく「それじゃ、失礼します。」とイルカ先生は三人に手を引かれ行ってしまった。
いいな〜。
俺も黒髪になりたい。
いや、それより真似っこして俺も何か会とか作ろうかな。
『カカシとイルカの会』とか。
名案だ。
そうすれば、ずっと一緒にイルカ先生といられそうだ。
奇妙な二人に続く
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