ハッピーサプライズ2
カカシが不機嫌そうな顔でいる。
「アスマ、煙草くれ。」 返事も待たずにアスマからタバコを奪い取り吸っている。
「ご機嫌斜めだな、カカシ。」
理由を知っているアスマは薄く笑った。
「愛しい人と離れて、寂しいってか?」
「あったり前でしょうが。」
カカシは、じろりとアスマを睨みつけながら紫煙を吐き出す。
「こーんなところ、全然、楽しくないね。」
あの人がいないから、そう付け足すと後は黙って煙草を消費することに時間を費やした。
カカシとアスマが組んで、任務に就いてから一週間。
カカシはずっと、こんな調子だった。
きちんと、自分の分の仕事は卒なくこなすが待機時間や休憩の時は不機嫌極まりない。
そして、その鬱憤は近くにいるアスマが被ることになっていたので、アスマとしても堪ったものでもなかった。
アスマこそ、早く里に帰りたかった。
「お?里から式だ。」
式は緊急に伝えたいことがある時に使用される。
「任務に変更でもあったかな?」
アスマが受け取っても、カカシは関心も寄越さない。
「えーと。」
アスマが式の内容を読み上げた。
「なになに、任務予定変更、直ちに里に帰還せよ、だと。任務を途中で切り上げて構わんとあるぜ。」
そう言ってカカシを見ると既に帰還準備を始めていた。
「アスマ、ささっと準備しろ。帰るぞ。」
勿論、アスマに依存はなかった。
夕方、里に到着後、アスマに報告を頼んでカカシは真っ直ぐに家に帰った。
兎に角、早く家に帰りたかった。
イルカの待つ家に。
「ただいま。」
玄関を開けると、イルカの気配はあるのに返事はない。
「イルカ先生。」
気配を辿って寝室に行く。
「寝てる。」
ベッドで布団を蹴飛ばして眠っていた。
そっと布団を掛けてやる。
寝返りをうった拍子に、イルカの顔がカカシの方に向いた。
冴えない顔色だ。
きっと、あんまり寝ていないのだろう。
こんな時間に眠ってるなんて珍しいし。
イルカを寝かせておいて、カカシはシャワーを浴びることにした。
帰ってきたから、もう大丈夫。
そんな気持ちだった。
シャワーを浴びた後、タイミングよくイルカは起きた。
カカシが帰ってきたことに、とてもビックリしている。
本当に帰ってきたことを知ると、全身で喜びを表してきた。
こんなところが可愛いなあ、と顔が綻んでしまう。
イルカを誘って、外に食事に行くことにした。
今夜は食が進みそうだ。
肩を並べて歩いていると、イルカの方から手を繋いできた。
驚いてイルカを見ると、ちょっと照れて笑って。
「お帰りなさい。」
そう言ってくれた。
「うん。ただいま。」
笑い返すと、焦って手を離そうとするから。
握られた手に力を込めた。
この手は離さないよ。
ずっと、握っているからね。
離れていても。
遠くにいても。
忘れないでね、イルカ先生。
ハッピーサプライズ
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