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Like a flower 後編



「ええ〜?なんか、イルカ先生、いつもと感じが違う・・・。」
呆然とイルカを見つめるカカシに綱手は、にやりとした。
「だろ?そうだろ、すごいだろ。」
いたずらが成功したような顔をしている。
「昨日、飲ませたビヤクが、まさかこうも効くなんてなあ〜。」
綱手はご満悦な様子だ。
その言葉に驚いたのはカカシだった。
「えっ!媚・・・。」
「そっちじゃない。」
素早く綱手が遮った。



「女性用の美容薬、美しくなる薬、略して美薬だ。」
「・・・・・・ああ。」
なるほど、とカカシは頷く。
「で、その美薬とやらとイルカ先生が、どうして飲んで、こうなるんですか?」
当然の疑問をカカシは言った。
「さあなあ。」
綱手は肩を竦める。
「男性に飲ませたのはイルカが初めてだし、どうして、こうなったのかは不明だ。」
「そんな無責任な・・・。」
咎めるような口調で綱手に抗議するも、視線はイルカに向いているカカシである。



「それはですねえ。」
横からシズネが話を引き取った。
「おそらく、イルカさんが男性だからだと思います。」
「男性だから、いつもと感じが違うの?」
「そうです。今日のイルカさんて、綺麗というか清浄というか、上手い例えが見つかりませんが、包み込むようなあたたかさを醸し出しているというか・・・。」 「うーん、そんな感じかな〜。」
「ですよねえ。」
シズネもイルカを見る。
「昨日、イルカさんが飲んだ美薬は女性専用に作られていて、飲むとチャクラと連動して自分が一番美しくなりたいと望む部分が、短時間で美しくなるという画期的な薬なんです。」
「へええ。」
「戦場に出ているくの一からの要望で開発中でした。そして綱手さまと私が被験者だったのです。」
「ふーん。」
「昨日は夜遅く仕事をしていた綱手さまと私は肌荒れを気にして薬と飲み、肌の荒れを治したのですが。綱手さまが面白がってイルカさんにも薬を飲ませてしまったのです。」



つと、シズネはイルカに目をやる。
「イルカさんは女性のように美しくなりたいという願望がなかったので・・・。」
男性の立場のイルカは美容には余り興味がなかったらしい。
自らの容姿が美しくなりたいとは思わなかったのであろう。
「外見よりも内面が美しくなりたいみたいな願望が出たのかなあ〜と。」
歯切れ悪くシズネは言う。
「内面?」
カカシが眉を顰めるとシズネは、ひそっと囁いた。
「イルカさんて、大らかでお人好しで自分より、みんなを思う強い気持ちがイルカさんを綺麗に見せているのかなあって。もしかして違うかもしれませんが・・・。」
シズネは、そう分析していた。
「だって、綺麗の他にもイルカさんに感じるものがあるでしょう?」
「ん〜、まあ。」



綱手と話すイルカは穏やかな雰囲気を漂わせて、見ている方も穏やかな、それでいて和やかな気分になってくる。
だからイルカ先生から目が離せないのか。
心まで奪われてしまったような、いや、心はかなり以前から奪われているのだが・・・。
シズネの説明に、なんとなく納得してしまうカカシであった。
しかし。
「じゃあ、イルカ先生を見た人は俺みたいな気持ちになっちゃうんじゃないの?」
「ええ、それで・・・。」
「それがいいんじゃないか!」
上機嫌な綱手が話に割り込んできた。
「今朝、報告に来た者、皆がイルカを見て心を動かされたのか帰還してから、再び任務を受けてすぐに任務に行ったぞ。」
任務が片付いて綱手は機嫌がいいのだ。



「そんなの、ひどいじゃないですか・・・。」
「まあまあまあ。」
綱手は横に手を振った。
「任務っても、上忍にとっては軽い任務だから大丈夫だ。」と胸を張っている。
それを聞いていた綱手の傍でイルカは顔を曇らせて「俺は休んだ方がいいと止めたんですけど」と心配そうにしていた。
「イルカ先生が気にすることはありませんよ。悪いのは火影さまですから。」
いつの間にかカカシはイルカに近づいて手を握って慰めていた。
「また、私が悪いのかい。」
綱手は、ふーっと溜め息をついた。
やれやれ、と首と左右に振っている。
「火影さま以外に悪い人はいないでしょうが。」
カカシが反論すると綱手が、それを手で制止してカカシに茶を勧めてきた。



「任務で疲れているだろうから茶でもお飲みよ。イルカが淹れてくれたんだよ。」
イルカの名前を出されるとカカシは疑うことなく、あっさりと茶を飲んでしまった。
「あっ、そのお茶は・・・。」
「綱手さま!」
シズネとイルカが同時に言った。
ごくり、と茶を飲み干したカカシは首を傾げる。
「どうかしましたか、イルカ先生。普通のお茶でしたが。」
イルカ先生の淹れたくれたお茶、とても美味しかったです、とカカシは感想を述べた。
「そう言っていただくのは嬉しいんですけど。」
言いながらイルカは、ちらと視線を綱手に走らせる。
「でも・・・」と不安そうな顔だ。
「あーあ」とシズネは頭を抱えていた。



その二人の様子に、もしやとカカシは思い当たった。
「・・・さっきのお茶に例の薬を。」
「当たり!」
綱手は、ブイサインをする。
「イルカだけじゃデータ不足だから、ついでにカカシに飲ませたら、どうなるかやってみた。」
「あのですねえ。」
怒ろうとしたカカシであったが不意に心臓が、どきんと音を立てた。
自然、イルカに目が行ってしまう。
手を握ったままであったので、そのまま至近距離で見つめ合う形となった。



「あ、あの・・・、イルカ先生。」
手を握ったまま、カカシはイルカを見つめて顔を仄かに赤らめていた。
「え、と・・・。カカシさん?」
カカシに釣られたのか、イルカの頬も赤くなる。
イルカはカカシに手を握られて身を寄せられても嫌がる素振りはない。
むしろ嬉しげに見え、カカシの手を握り返している。
火影の執務室に爽やかな朝の空気よりも、甘ったるい空気が立ち込めた。
二人を見ている綱手とシズネが、むずむずするような居心地の悪さと胸が痒くなるような居たたまれなさと・・・。
いわゆる、見ている方が恥ずかしくなるような光景であった。



シズネはカカシとイルカの二人の雰囲気を壊さぬように気を遣い、綱手に囁いた。
「カカシさん、イルカさんが大好き好き好きって内面がもろに出てますね。」
「っていうか、この分じゃカカシはイルカに、まだ告白してなかったってことかい。」
「意外にカカシさんて奥手でシャイだったんですねえ。相手の気持ちを大切にして尊重するというか。」
「毎日、あんなに二人で一緒にいて、まさか付き合ってなかったとは・・・。」
「でも、男性には変な風に作用するんですね。」
「使いようによっては結構、危ない薬かもな。」
「ですね。」
ひそひそと二人がやっているとカカシがイルカの手を握ったまま、叫ぶように綱手に言った。



「もう、今日は俺もイルカ先生も仕事が終わりでいいですよね!」
「ああ、いいよ。」
「じゃ、俺、ものすっごく大事な用ができましたので。」
そのままイルカを連れ去り、火影の執務室で出て行ってしまった。
「あー、行っちゃったー。」
「いいじゃないか。これ以上、あの甘い空気に中てられては敵わないよ。」
綱手は欠伸をしながら、そう言う。
シズネも欠伸をかみ殺しながら頷いた。






その頃。
人けのない場所にイルカを連れてきたカカシはイルカの手を握り告白していた。
「こんな薬の力で告白するのは本意ではありませんが・・・。」
ぎゅっとイルカの手を握る。
「俺、実はイルカ先生が好きなんです。ずっとずっと前から。」
カカシのどきどきは最高潮に高まった。
イルカ先生の返事はどうなんだろう?
じっと返事を待っているとイルカがカカシを見て、ふわりと笑った。
花の如く。
もちろん、返事はカカシが望んだものだったのであった。



終わり



Like a flower 前編



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