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雪さらら



「あ、カカシさん。雪降ってますよ。」
出勤前に窓の外を見ていたイルカ先生が弾んだ声で言う。
窓の外は雪がチラホラと舞っていた。
「もう春近いのに、雪が降るなんて。」
三月も末なのに降っている雪を興味深そうに降る雪を眺めている。
「昨日の夜は冷え込んでいましたからね。」
コーヒーをカップに注いで朝食の準備は完了。
「イルカ先生、朝ご飯食べましょう。遅れますよー。」
俺は声を掛けた。
「あ、そうですね。」
イルカ先生は慌ててテーブルに着く。


そして焼いたパンを千切って口に放り込みながらイルカ先生は言った。
「春の雪って、積もらないですぐに融けちゃいますよね。」
「ああ、気温が高いから。」
「なんか、もったいないなあ。」
残念そうに呟いた。
「俺、さらさらの雪好きなんですよね。」
なのに、すぐになくなるなんて、とコーヒーを飲みながら残念そうに言っている。
「イルカ先生。」
「はい?」
「春の雪は湿っぽくて重たいから、さらさらっていうよりポタポタって感じですよ。」
「ポタポタ?」
「そう、屋根から落ちるとき水滴がポタポタ言うからですよ。そして水になって流れていくから。」
俺の答えにイルカ先生は、おかしそうに笑った。
「流れていくか・・・。じゃあ、俺みたいですね。」
「イルカ先生みたい?」
「そうです。俺、流されてるし、カカシ先生に。」


まあ、付き合う切っ掛けはそうだったかもしれない。
俺が押して押して押しまくって、イルカ先生は押しに流された感じだった。
「でもね。流されてよかった。」
「え?」
思わず聞き返す俺。
朝食を食べ終えたイルカ先生は俺の問いには答えずに、ぱぱっと出勤の身支度を整えた。


「仕事に行ってきますね。」
出掛けに俺の頬に、軽くキスしてくれた。
「来年の冬も、さらさらの雪を二人で見ましょうね。」
そんなことも言っていた。
「じゃ先に出勤しますね。後片付けお願いします。」
今日は俺は遅めの出勤なので、朝食の後片付けをしてから行く。


俺はイルカ先生の言った言葉にめろめろだ。
俺に流されてよかっただって。
一緒に来年も雪を見ましょうだって。


それにキスしてくれた!


なんだか、いっぺんに好いことありすぎて怖いくらいだ。
こんなに幸せでいいのだろうか、と悩んでしまう俺だった。








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