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欲求不満



「俺は欲求不満になんてなりません!」
カカシは威張って言った。
「上忍なんで!」
「はあ。」
聞いているのはイルカである。
「欲求不満にはなりませんが、激しい欲求はあります!」
イルカは持参した昼の弁当を食べながらカカシの言うことを聞いていた。
もぐもぐ、ごっくん。
茶を一口、飲んでカカシに問う。
「で?」
場所はアカデミーの職員室である。
イルカは遅い昼食を一人、職員室で食べていたのだが、そこへカカシが現れたのだ。
現れたカカシは弁当を食べているイルカの隣に、どこからか椅子を持ってきて座っている。
そして、じっとイルカとイルカの弁当を見ていた。
「だから!イルカ先生のお弁当のおかずを一つください。」
なにがどうなって『だから』に繋がるのか・・・。
眉を潜めたイルカは一応、聞いてみる。
「カカシ先生、もうお昼は食べたんでしょう?」
「ええ、イルカ先生と同じものを。」
カカシの弁当は、今日の朝にイルカが自分の分と一緒に作って持たせたものである。
中味も味も一緒のお揃いの弁当だ。
「同じもの食べたのに、なんでまた俺の弁当のおかずなんて欲しがるんですか?」



カカシの出ている片目が、きらーんと光ったような気がした。
「それは、イルカ先生に『あーん』して食べさせてもらえるから!」
「・・・・・・カカシ先生、無駄に元気ですね。」
そう、カカシは無駄に元気であった。
「お昼の弁当をぜえーんぶ、おいしく食べましたから!」
見目良い顔をきりっとさせて、無駄に主張している。
カカシの元気に負けたイルカは箸で、おかずを摘むとカカシの口に運んだ。
「・・・・・・はい、どうぞ」
「あーん、って言ってください」
「・・・・・・・・・あーん」
「あーん!」
これが本当に上忍か、と疑われそうなことをしているのをカカシは自覚しているだろうか。
イルカは心配になったのだが、当のカカシはもぐもぐと嬉しそうに口を動かしている。
その様子が可愛くてイルカは、ついつい自分の弁当を全部食べさせてしまっていた。



「あ、もうない。」
気づいたときには既に遅く、イルカの昼ご飯はなくなっていた。
イルカの腹は、まだ満たされていない。
「ご馳走さまでした。」
カカシは丁寧に両手を合わせると、どこからか包みを取り出した。
「はい!これ、差し入れです。」
見ると包み紙からして高そうな弁当である。
美味しそうな匂いが漂ってきた。
「どうぞ食べてください。」
イルカに手渡すとカカシは華麗に職員室の窓に足をかける。
「俺は、まだ任務が残ってますんで。また後で。」
そう言い残し、颯爽と去って行ってしまった。
イルカはカカシに貰った豪華な中味の弁当を食べながら呟いた。
「カカシ先生、いったい何しに来たんだろ?」
それはカカシにしか分からないことである。
「欲求があるとか言っていたけど、あれって・・・」
イルカに『あーん』して食べさせてもらいたかったとか。
「まー、いいか」
考えるのをやめたイルカは腹を満たすことに没頭した。
カカシに貰った弁当は非常に美味しかった。






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