AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


うちの子どんな子かわいい子、おれのあの子はかわいい子
番外篇 まだまだ俺のセンス




自宅に荷物を取りに帰ったカカシは台所の隅にあるものに目を止めた。
「・・・ミキサー。」
そういや、これで前にイルカにジュース作ってやったけな、と懐かしそうにミキサーを見る。
あの時は果物のチョイスに失敗しちゃって、イルカにジュースを飲んでもらえなかったけど。
結局、イルカのリクエストの果物で作ったジュースしか飲んでもらえなくて・・・。
ちょっぴり悲しかったことを思い出す。
イルカに自分の自作のジュースを飲んでほしい。
ミキサーを見るカカシの目に、めらめらと闘志が炎となって映し出されてきた。
もっかい、挑戦!
リベンジだと燃え上がった。



「えーと・・・。」
自宅から荷物を持っていく途中、カカシは材料を買うべくスーパーに寄った。
「イルカは野菜が足りてないよねえ。」
食事はしているようだったけど、ご飯とおかず、それも魚とか肉ばかりのような気がする。
だからイルカに野菜ジュースを作って飲まそうとカカシは考えていた。
確か、前に読んだ栄養の本には緑黄色野菜が大切と書いてあった。
カカシは野菜売り場の前で、暫し、悩む。



「緑黄色って、まず緑色の野菜だよね。」
買い物籠にホウレン草を入れてみた。
続いて目に止まった緑色のピーマンも入れる。
「あ、これ、いいんじゃないの。」
緑色のピーマンの横には鮮やかな色の黄色、赤、橙色のピーマンが並んでいた。
「これって体に良さそう。」
色も綺麗だしイルカが喜ぶかもね、と、うきうきしながら買物籠に三色のピーマンを放り込む。
「青い野菜もあれば光の三原色で綺麗なのにな〜。」と恐ろしいことも言っていた。



「あとは、えーと何にしようかな〜。」
野菜を選ぶのが、楽しくなってくるカカシである。
そんなカカシの目に珍しい野菜が飛び込んできた。
「紫色の野菜、ビーツ・・・。」
木の葉では珍しい根菜だ。
異国ではスープの材料として使うらしい。
「紫っていいんじゃない?」
それも買うことにした。



「それから・・・。」
カカシは飲みやすい味にするためにトマトも買う。
「トマトジュースって美味しいよね〜。」
ちょっと酸っぱめな感じが癖になる、とカカシは思っている。
「で、あとは・・・。」
適当に目についた野菜を買ってみた。
人参、椎茸、茄子、セロリ、ズッキーニ・・・。
「よし!完了!」
カカシは満足げだ。
「こんだけの野菜を摂取すれば栄養満点間違いなし!」
自信満々である。
「色の綺麗な野菜もあるし、美味しそうなジュースになるぞ!」と張り切っていた。



そして、それらの野菜を買って帰ろうとした時に、ふとカカシの目にイルカが好きだと言っていた果物が目に入ってきた。
バイナップルとバナナのジュースをイルカは喜んで飲んでいたよな・・・。
イルカの喜ぶ顔が目に浮かびカカシは結局、それも買って帰ったのだった。





ところがイルカの家に帰るとイルカが玄関先で倒れていて、怪我でもしたのか、と、どきりとしたり。
汚れた服を着替えさせるときに、再び、別の意味でイルカに、どきどきしたり、と大変だったのだが・・・。
気を落ち着かせてカカシは野菜ジュースを作ることに没頭した。
心の隙に、僅かに生じた煩悩を蹴散らすためでもあった・・・。





「できた!」
野菜ジュースは無事に出来たが、それはカカシが思い描いていたのと大きく懸け離れていた。
「ん?なんか思っていたのと色が違う・・・。」
灰色のような、淀んだ色になっている。
ジュースというより、謎の液体といった方が似付かわしい。
「味は?」
味見をしてみるとトマトの味がベースとなっていて、そんなに悪くはない。
「まあ、色はアレだけど味はいいから、オッケーかな。」
出来栄えに、まあまあ満足したカカシは・・・。
目覚めたイルカに早速、作った野菜ジュースを勧めてみた。
だが、そのジュースを見たイルカは引き攣った顔をして首を横に振る。
「ごめんなさい。」と涙ぐむ、一歩手前の顔でカカシに謝ってきた。



そんなイルカに無理強いはできない。
できるわけがない。
カカシは「いいよ。」と笑って念のため、作っておいたイルカの好きな果物で作ったジュースを差し出した。
それを嬉しそうに飲むイルカ。



そんなイルカが可愛くて、まあ、いいか、とカカシは野菜ジュースを飲み干したのだった。






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