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通販



朝、起きると朝食を食べ終わったと思われるイルカ先生が、食後のコーヒーを飲みながら何かの雑誌を見ていた。
俺は寝起きで、ぼーっとしている。
「あ、カカシさん。おはようございます。」
「おはようございまあ〜〜〜す。」
語尾が変に伸びたのは、欠伸が出てしまったからだ。
そんな俺を見てイルカ先生は、くすりと笑うと「コーヒー、飲みますか?」と聞いてくれたので頷いた。



イルカ先生は、てきぱきとコーヒーを淹れてくれる。
「はい、どうぞ。」
「どうも。」
俺は受け取ったコーヒーを飲みながらイルカ先生が見ていた雑誌を覗き見した。
「それって、何ですか?」
「ああ、これですか。」
イルカ先生は同じくコーヒーを飲みながら言った。
「通販雑誌ですよ。結構、種類豊富で安くて良さそうなものが、いっぱい載っているんです。」
「ふーん。」
イルカ先生は手元の葉書に、何やら数字を書き込んでいる。
「買ってみようかなと思って。サクラも、この通販雑誌の商品はお勧めだって言ってましたし。」
「イルカ先生。」
俺は、少し笑ってしまった。



「イルカ先生の情報源て、だいたいサクラですね。」
「えっ・・・。そんなことないですよ、ナルトやサスケやキバや木の葉丸の時だってあります。」
「全員、教え子じゃないですか。」
なんだか俺は心配になってきた。
「もしかして職場のみんなと上手くいってないとか・・・。」
「違いますってば。ちゃんと職場の付き合いもしています。」
イルカ先生は、ちょっとだけむきになって言うと、俺に通販雑誌を差し出してきた。
「カカシさん、通販で欲しいものがあったら、この申し込みの葉書に書いていいですよ。俺はもう書いたので。」
「あ、うん。ありがと。」



イルカ先生は「朝食は冷蔵庫に入ってますからね。」と言うと、傍らにあった通勤かばんを肩にかけ「行って来ます。」と出勤してしまった。
今日は俺は休みなので、一日、家にいるつもりだ。
通販雑誌、暇つぶしに、ちょうどいいかも。
俺は興味を持って雑誌を見始めた。
すごいなあ、色んな種類の物が売ってるんだ、洋服、靴、雑貨、生活用品、エトセトラエトセトラ、何でもある。
「へええ。」
感心して見ていると、ある物が目に止まった。熱心に見入ってしまう。
「よし、買おう!」
イルカ先生は買いたいものを書き終わったって言っていたから、俺が書いたら申し込み葉書は出してしまおう。
そしたら俺が何を買ったのか、ばれることはない。
俺はたくさん欲しいものを書き込んで、それから葉書を出しに行った。



それから数日後、大きな段ボール箱で品物は届いた。
イルカ先生は「何をこんなに買ったんですか?」と不思議そうにしながら箱を開ける。
すると中味を見たイルカ先生が「ぎゃーっ!」と叫んだ。
「な、なんですか!これ?」
「これ?ふふふふ、俺が買ったんですよ。」
俺が買ったのはカップル向けの、総てペアの物ばかり。
色違いのパジャマにTシャツに、お揃いのコーヒーカップ、箸に茶碗に湯飲みにお皿、フォークにスプーン。
全部、イルカ先生と一緒に使おうを買ったのだ。
「いいでしょう、これ。」と言って、イルカ先生を見るとイルカ先生は呆然としていた。



「イルカ先生?」
呼びかけると、はっと我に返ったようで頬が仄かに染まってくる。
「こ、これ、恥ずかしくって使えませんよ・・・。」
「あ、その点は大丈夫です。」
俺は胸を張った。
「ぜえーんぶ、家の中で使えるものばかりですから。」
だから、二人で一緒に使いましょう!と言うと仄かに染まっていたイルカ先生の顔は、くっきりと朱を帯びて赤くなった。
「そういうことじゃなくて・・・。使いこと自体が恥ずかしいんです。」
そういう時は、んじゃ、まあ。
「毎日、使って慣れましょう!」
これで解決。



ということで家の中は俺が通販で買った、お揃いの物で溢れて、すごく嬉しくなる。
幸せだ。
通販は幸せも運んできてくれた。
通販て、本当いいなあと思った俺だった。



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