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心配



イルカの様子が普段とは違うような気がする。
気になって、シズネは注意深くイルカを見ていた。
イルカは、五代目綱手の補佐をしているシズネの手伝いをして貰いに火影の執務室に来てもらっているのだが、今日はいつもと違っていた。
どこが違うかと言うと明確には説明はできないが。
大きいミスはないのだが、小さいミスを連発している。
そして、イルカがシズネにも五代目にも気づかれないように、ひっそりと溜め息をついているのを目撃してしまった。
体調不良なんじゃないか、とシズネは心配になりイルカが執務室からいなくなった隙に五代目に相談してみた。



「綱手さま。今日のイルカさん、どこか変じゃありませんか?」
「変?」
書類に目を通していた綱手は顔を上げてシズネを見る。
「どこがだい?ちゃんと仕事はしていたじゃないか。」
「ええ、でも。」
シズネは口篭った。
「どこって訳じゃないですけど。何だか、いつもと違うような・・・。」
「ふーん。」
綱手は肘を机についてシズネの話を聞き始めた。
少しでも仕事から離れたいらしい。
「強いて言えば、精彩を欠いているというか。」
「元気がないってことかい?」
「それ、それですよ。元気がないがぴったりです。」
綱手の言葉にシズネは手を打つ。
「体の具合でも悪いんでしょうか?」
心配になっていたことが口から出る。
「アカデミーと受付けを掛け持ち、加えて私の手伝いまでお願いしてしまっているので。」
シズネは責任を感じているらしい。
「私が綱手さまに翻弄されて仕事を捌けないからですね。だからイルカさんにも負担が・・・。」
「シズネ。」
綱手が言葉を遮った。
「私だけが悪いってのかい?そりゃ一因はあるだろうけどさ。そればっかりじゃないんだよ。」
「え?」

得意気に綱手は言葉を続けた。
何か知っているようだ。
「イルカの元気がないのは、だね。」
嬉しそうにニヤッと笑った。
肝心なことを言おうと綱手が口を開いた時に、急にボンと煙が舞い上がった。
綱手の前に対峙するは、上忍の畑カカシ。
「五代目、只今、任務終了し帰還致しました。」
カカシは五代目火影の綱手から直々に命を受けて極秘任務についていたのだ。
「お帰り。ご苦労だったね、カカシ。」
カカシは上忍の中でも、特にずば抜けた実力を持ち常に冷静沈着であり人柄も温厚で、シズネは尊敬している。




だが。 次の綱手の一言でカカシは冷静な態度に変化が表れた。 
「ところでカカシ、イルカのことなんだけど。」
「イルカ?イルカ先生がどうかしましたか。」
イルカの名を聞いて、急にそわそわし始めるカカシ。
「元気がないみたいなんだよ。」
「ええ!」
目を見開いて綱手の方に身を乗り出すカカシ。
「なっ、何でですか?怪我とか病気でも?」
俺のいない間に何かあったんですか?とカカシは何やら慌てて勢い込んで聞いてくる。
「いやー、ねえ。」
綱手は態ともったいぶって、面白そうに目を細めた。
「多分、イルカの元気がないのはさ。」
「ないのは?」
「お前がいなかったからじゃないかい?」
「え?」
不意にカカシの顔に赤みが差した。
「本当ですか?」
目じりが垂れ下がって、いかにも嬉しいそうな様子だ。
「それは本人から聞くんだね。今、総務に行ってるから会いに行けばいいだろ。少し時間が早いが、昼飯を二人で食べてくればいいさ。」
「じゃあ、二人だけで食べてきますね。」
ふふふ、と笑ったカカシは退室しようとして、よほど急いでいたのか開けた執務室の扉に足をぶつけてしまったのだが構わずに行ってしまった。





そんなカカシを呆然と見送るシズネ。
「あの二人って、もしかして付き合っているとかですか?」
「もしかしなくても、そうだよ。」
「それって、恋人同士ってことでいいんでしょうか?」
「そうだろ。イルカは任務に行っているカカシのことが心配で元気がなかったのさ。」
「なるほど。」
シズネはやっと得心がいった。
綱手はカカシとイルカの関係をどうやら知っていたらしい。
「恋人のこととなると、あのカッコいいカカシさんが、ああも変わるものなんですねえ。」
シズネは沁み沁みとしてしまう。
「なあに、シズネもさ。」
綱手が揶揄った。
「恋人ができれば分かるさ。」
「恋人か。私も早く欲しいですねえ。」
とシズネは微笑んだのも束の間、次に厳しい声でこう言った。
「それじゃ、綱手さま。私の恋人を作る時間を確保するためにも、残業など無いようにしっかりとお仕事してくださいね。」
あ、この書類が終わらないと今日は昼食食べれませんからね、とシズネから書類を受け取った綱手は、薮蛇だったと呟いて顰め面をした。









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