幸せな時間
ああ、まただ。
寝そべってテレビを見ている俺の横でカカシさんがうとうとしている。
本を読みながら微睡んでしまったらしい。
最近、夜は家にいると、いつもこうなんだよな。
眠いなら布団に行って寝た方がいいのになあ。
居間で座布団を枕に横になっていたのでは風邪を引いてしまう。
うーん、どうしよう。
俺がカカシさんを布団に運んだら起きてしまいそうだし。
転寝って、すごい気持ちいいもんなぁ、邪魔するのも悪いよなぁ。
カカシさんは、すごく気持ち良さ気に寝ている。
やっぱり、このまま寝かせてあげよう。
うん、それがいい。
そして、俺はいいことを思いついた。
ベッドから掛け布団を持ってきてカカシさんに掛ける。
これなら寒くないし風邪も引かないだろう。
よしよし、と自分に満足して。
それから、そっと掛け布団を捲って俺も布団に潜り込んだ。
テレビの音量を小さくして続きを見る。
隣にはカカシさんがいて暖かい布団の中で温温として、思ってしまう。
ああ幸せ、って。
自然に笑顔になってしまうなぁ。
と、同時に欠伸も出始めた。
眠くなってきたのかな、でもテレビ見たいんだよね。
瞬きの回数が多くなってきた。
段々と瞼が落ちてくる。
ああ、このままでは寝てしまう。
結局、俺は眠気に負けてしまった。
朝になって、ぱっちりと目が覚めた。
何故か、カカシさんとベッドで寝ている俺。
確か、昨日は居間で寝ていたはずだ。
不思議そうにする俺を見てカカシさんは言った。
「俺、昨日はイルカ先生が眠るまで起きてましたよ。」
じゃあ、カカシさんが眠った俺をベッドまで運んでくれたってこと?
でも。
「狸寝入りしてたんですか?」
「そうとも言うかな?」
カカシさんは、にやっと笑う。
そうとも言うかな、って狸寝入り以外の何ものでもないじゃないか。
俺が抗議するとカカシさんは「だって。」と肩を竦めた。
「イルカ先生がどうするか見ていたら可愛い行動するからさ。」
起きるに起きれなかったんだよね、と笑って言うから。
言葉に詰まった俺は。
まぁいいか、と自分を納得させた。
だって、昨日のあの時間は幸せだったから。
きっとカカシさんもそうだったに違いない。
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