背中
風呂上り、涼んでいるカカシの背中にイルカが指で触れてきた。
カカシは暑いので、上半身は裸だ。
イルカは、カカシの剥き出しの背中を指で撫でる。
「擽ったいよ、イルカ先生。」
くすりと笑ってカカシが言うと、イルカは手を引っ込めた。
「あ、ごめんなさい。」
「何してたの?」
「何って・・・。」
カカシの質問に、イルカは少し間をおいてから答えた。
「その、背中に黒子があったので、それを線で結んでいたんです。」
「ふーん。そうなんだ。」
「ええ、まあ。」
イルカの顔が、やや赤らんだ。
「もう一回やってよ。」
「もう一回?」
「できるでしょ?線で繋ぐだけなんだから。」
躊躇いながら、イルカはその通りにする。
そして、カカシの方を伺った。
何かを言われるのを恐れているらしい。
しかし、カカシが言ったのは。
「もう、そろそろ寝ましょうか。」
と、就寝を促す言葉だけ。
「はい。」と返事をした、イルカはホッとしていたようだった。
二人仲良く布団に入り眠りに就く。
カカシの横で目を閉じたイルカは、しばらくすると細い寝息を立て始めた。
眠ったようだ。
その様子を確認してから、カカシは漸く顔に笑みを浮かべる。
顔が笑うのを止められない。
さっきはイルカの手前、我慢していたのだが。
イルカがカカシの背中に書いたのは、もちろん、ただの線などではなくて。
意味のある言葉。
そう、『スキ』という文字をイルカは書いていたのだ。
スキは『好き』に間違いない。
普段、なかなか口にしないから。
時々、不意打ちのように自分の気持ちを表してくる。
次はいつだろ?楽しみだなあ〜。
幸せをじっくりと噛みしめるカカシであった。
text top
top