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最初で最後




カカシさんは料理上手だ。
餃子もハンバーグも何でも手作りできる。
あの細く白い綺麗な指先で様様な料理を作るのは見ていて惚れ惚れする。



今日も今日とて餃子作り。
カカシさんは餃子の皮も小麦粉から練って作った。
すごいなあ。
俺なんて絶対、餃子の皮なんて買うよ。
餃子の具だって手で捏ねて隠し味やら加えている。
そして今は二人で餃子の皮を包み中。



「カカシさん、うまーい。」
職人並みに皮を綺麗に折って繊細に作るカカシさん。
まるで餃子がオブジェのようだ。
対して俺はというと、なんか不恰好。
う〜ん、結構難しいだよね。
「簡単ですよ、こんなの。」
そう言ってカカシさんは餃子をイルカの形に仕上げた。
「うわー、すっごい。」
俺は目を輝かしてしまう。
こんなの見たことないよ。
すごいすごい、と褒めるとカカシさんはにこにこした。
そして、上機嫌で言う。
「今日はイルカを食べれますね。」
「そうですね、イルカ餃子がたくさん食べれますね。」
俺も嬉しくなって頷いた。
でも、ふと思いついたので言ってしまった。
「揚げ餃子にしたらイルカは煮えたぎった油の中で死んじゃいますね。」
「なっ、ちょっとイルカ先生!」
「水餃子にしたら水死、焼き餃子にしたら焼死?」
冗談で言ったらカカシさんはものすごく怒った。
目を吊り上げて、ちょっと怖い。
「イルカ先生っ、何てこと言うんですか。冗談でも死んだなんて縁起でもないでしょ。」
「ご、ごめんなさい。」
「イルカは永遠に不滅です。」
怒りながら、再び餃子を作るカカシさん。




・・・やだな、気まずい。
あ、話題を変えよう。
「えーと。あ、カカシさんの今まで付き合った女性の方って料理上手だったんですね。」
「はあ?」
思い切りカカシさんが不機嫌そうな声を出した。
「だ、だって、カカシさん、何でも作れるし。ってことは今までのお付き合いした方に料理教わったりしていた・・・んですよ・・ね?」
最後の方は小声になってしまった。
だって。
だってカカシさんの背後から怒りのオーラが立ち上っている。
「イルカ先生。」
餃子を作り終えたカカシさんが道具をパパッと片付けながらきっぱり言った。
「俺は料理なんてね、イルカ先生と付き合うまでしたことありません。因みに付き合った人間もイルカ先生だけです。」
「そ、そうなんですか?」
だってプロ級じゃん、料理の腕前。
じゃあ、どこで覚えたんだろう?
「料理を作るとイルカ先生が喜ぶから一生懸命覚えたんですよ。」
「わざわざ覚えたんですか?」
「当たり前でしょ、好きな人には料理を作ってあげて食べてもらいたいじゃない。」
「はあ。」
「おいしい〜って幸せそうな顔を見るとね、こっちも嬉しいの。」
「なるほど。」
「そうすりゃ、自然と料理も上手くなるしね。」
情熱家で研究熱心なんだな、カカシさんって。
そんなことをボーっと考えているうちにカカシさんは片づけを粗方終えてしまった。
手早くお茶の準備までしている。
俺って何もしてないよ・・・。
「それにね。」
いつの間にやら、急須からお茶を注いでいるカカシさんが言う。
「俺が料理を作ってあげたいって思う人間はイルカ先生が最初で最後ですよ。」




・・・今、なんて?!
カカシさんが良い香りが漂う緑茶を俺に差し出してきたので受け取った。
きっと、顔は赤くなっているに違いない。
不意打ちのように口説き文句を言うからだ。
そんな俺を見てカカシさんは、にっこりと余裕の笑みを浮かべたのだった。







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