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利害の一致または若き十八の春



少年の頃は誰しも夢を持っているものだ。
特に思春期、十八歳。
カカシも例外ではなかった。
十八歳になったカカシは憧れの本を読めて感激していた。
毎日毎日、持ち歩いては暗記するほど熟読していた。
「なんて面白い本だろう!」
すっかり虜になっていた。
本の種類としては十八歳以下は読めないと年齢指定されていた本である。
総ての部分を含めてカカシは本を愛読書にしていた。
そして夢見ていたのである。
「寝ている可愛い子にキスをして起こして、目覚めた相手が自分に一目惚れ!そして相思相愛、永遠の愛を誓う!死が二人を別つまで!」
本当に、そう考えていた。
読んだ本に、そのようなシチュエーションがあり、それに憧れてしまったのである。
本に多大な影響を受けていた。



そして機会は訪れた。
ある日、里近辺の森の警備を任されたカカシは森の中を歩いていた。
てくてく歩いていくと大きい木の根元に人影が見える。
人影は動かず、地面に横たわっていた。
遠目から額宛のマークが見え、木の葉の忍びを判別された。
怪我か病気か、すわ一大事とカカシが駆け寄ると何のことはない。
その人物は安らかな寝息を立てて深い眠りに落ちていた。
ほっとするカカシ。
「まあ、よかったけど。しかし、こんな所で寝るなんて無用心な」
いくら里近辺といっても敵がいないとは限らない。
「全く、もー」
寝ている忍の横にカカシは腰を下ろした。
起こすのは何となく憚られたのである。
見たところ、忍は若かった。
カカシと同い年か、それより下か。
固く閉じられた瞼は当分、開きそうにない。
唐突にカカシは愛読書の一場面を思い出した。
寝ている人にキスをすると目が覚めて相思相愛になる、という・・・。
幸いにも寝ている忍はカカシの好みに沿っていた。
要は可愛い子だったのである。
不意にカカシは夢を実行してみたくなったのだった。



寝ている子に顔を近づけていく。
心臓がドキドキと音を立てているのが自分でも分かった。
ドキドキドキドキ。
緊張してくる。
手に汗を掻いていた。
緊張で喉も渇く。
ごくり、とカカシは唾を飲み込んだ。
顔を近づけて唇に触れた。
もちろん、カカシの唇で。
夢にまで見た口づけだ。
軽く口づけた後、少し長く口づけてみる。
少し強く、感触を味わうように。
感触は・・・、想像していたのより、ずっとずっと良かった。
何これ、柔らかくて甘い匂いがして美味しそうな感じ!
キスって、こんなにもいいものなんだ〜。
初めてもキスで酔ってしまったような感覚に陥る。
キスって、キスって素晴らしい。
キスに目覚めてしまったカカシだ。
もう一度、キスしようと顔を近づけた時だった。
相手の目が、ぱっちりと開いた。
カカシを凝視している。
間近でカカシと相手は見詰め合うことになった。



しかし、カカシはキスをすることに続行した。
その頃にはカカシは名も知らぬ相手のことを好きなっていたかもしれない。
キスをすることに躊躇はなかった。
例え、相手が可愛い子だけれども、実は同性だったという事実を受け入れても問題ないほどに。
ただ相手は、そうではなかったようだ。
ぱっちり開けた目を大きくして、びっくり眼になっている。
カカシのキスは、されるがままだ。
きっと自分の身の上に何が起きているのか把握してないに違いない。
・・・と思ったら、どうやら把握していたようだった。
身を起こしたと思ったら開口一番に、こう言った。
「ファーストキスをした相手と結婚しようと思っていたのに!」
きっとカカシを睨む。
黒い目が印象的であった。
「責任とって結婚してください!」
「・・・いいけど」
どうやら相手も何やら夢見ていたようだった。
まあ、ともかく、とカカシはチャンスを逃すようなことはしなかった。
同性だから結婚はできないけれど結婚のようなことは出来るから。
それでいっか、と楽観的に考えて相手に言った。
「じゃあ、これから俺たち恋人同士ですね」
きゅっと手を握ると相手は僅かに怯んだようだった。
構わず続ける。
「俺は、はたけカカシ。名前は?」
「・・・うみのイルカ」
にこーっとカカシは笑った。
「イルカ?これから末永くよろしくね!」
大変、カカシは気分が良かった。
夢が、だいたい叶ったのだ。
「寝ている可愛い子にキスをして起こして、目覚めた相手が自分に一目惚れ!そして相思相愛、永遠の愛を誓う!死が二人を別つまで!」という夢が。
ちょっと見解の相違もあるが。
この際、それは置いておいて。
まずは恋人にキスをした。
「イルカ、大好き」
手を握ったまま、イルカに優しくキスをする。
とっても幸せな気分になれた。
カカシの方こそ、イルカに一目惚れしたといってもいいのだろう。
イルカの方は、といえば・・・。
カカシにキスされて最初は戸惑ってはいたものの、じきに二人揃って幸せそうに笑っていたのであった。





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