AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する


恋人たちのランデブー



ある日の夕方。
イルカ先生が味噌汁に使う味噌を買い忘れたというので、俺は一人でお使いに出た。
イルカ先生は夕飯を作り中なので。
帰った頃には夕飯はできているに違いない。
まあ、味噌汁は別として。
早く食べたいなあ。
二人でする食事はいつもおいしいから。



味噌を買ってから、イルカ先生に頼まれたものがもう二つあることに気がついた。
出掛けにイルカ先生に「明日の授業に使うから。」と頼まれたんだっけ。
一つはすぐ買えた。
小さいものでいいだろう。
それから、もう一つ。
どこに売っているのかなあ?
探すのに少々手間取った。



やっと探して買うことができた。
店員が「明日のお届けでよろしいですか?」って聞いてくる。
でも、明日の授業でイルカ先生が使うって言ってたし。
ちょっと嵩張るけど、意外に軽いから右肩に担いで帰ることにした。
店員は驚いていたけど、そんなの驚くことかなあ?



「ただいま〜。」
家に帰ると、予想通り夕飯はできていた。
やった!
お腹がペコペコだったので嬉しい。
「お帰り・・・な・・・さい。」
出迎えてくれたイルカ先生が俺を見て何故かびっくりしている。
「どしたの?」
ちゃんと言われたもの買ってきたけど?



味噌の他に買ってきたのは、ラジオとベンチ。
ラジオは使いやすいように携帯ラジオにしたけど、それが不味かったのだろうか?
「え・・・っと、俺は『ラジオペンチ』を買ってきて欲しかったんですが・・・。」
躊躇うようにイルカ先生は言う。
「ええ?」
ラジオ・・・・・・ペンチ?
ラジオとベンチじゃなくて?
すごい勘違いじゃん・・・。
俺ってば俺ってば俺ってば。
グルグルと俺は奈落の底に落ちていった。






で、どうなったかというと。
改めて、ラジオペンチは買いなおして。
携帯ラジオはイルカ先生んちのベットの枕元に。
俺が任務でいなくて寂しい時に聞いているらしい。



ベンチの方は俺たちの家の庭に置いてある。
本当は返品しようと思ったのだが、ベンチを思いのほかイルカ先生が気に入ってくれたのだ。
でも、返さなくて良かったとしみじみ思う。
だって、今、ベンチは恋人たちのランデブーの場所となっているから。
もちろん、恋人とは俺とイルカ先生のことだ。



春も夏も秋も冬も、二人でベンチに座って庭を眺める。
寄り添って座ることだけで、こんなに満たされるなんて。
きっと、イルカ先生といるからだね。
これから何十年先もこうして同じく過ごしていけたら。
こんな幸せなことはない。




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