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桜の木の下で




春の暖かな日差しが降り注ぎ、気持ちの良い日である。
イルカは桜の木の下でカカシと待ち合わせをしていた。
今日は偶然にも昼食を食べる時間が、お互いに取れそうなので待ち合わせて、どこかの店に食べに行くことにしたのだ。
カカシはイルカがお付き合いしている相手である。
「たまには、昼を外で食べるのもいいよな。」
イルカは舞い落ちる桜の花びらを目を細めて見た。
綺麗な桜を見ていると心が潤うようだ。

そこへ、てってっと歩いて来た者がいた。
「イルカ。」
自分の名前を呼ぶ。
「ん?」
名を呼ばれたイルカは足元を見る。
カカシの忍犬のパックンがいた。
パックンとは何度か会っているので面識はある。
「どうしたんだ?こんなところで。」
イルカが不思議に思って屈むと、パックンはイルカの腕の中に、ぴょーんと飛び込んできた。
「ちょっと、囲まってくれい。」
焦るように言ってイルカの腕の中に、もぞもぞと潜り込もうとしている。
「どうしたんだよ?」
パックンの行動の意味が分からないイルカが、パックンを抱いたまま、とりあえず立ち上がったところに丁度、カカシが現れた。



「あ、カカシ、さん・・・。」
現れたカカシに声を掛けたイルカの声は、後半、小さくなった。
なぜならば、カカシが眩くなるような美女を伴っていたからである。



舞い散る桜吹雪の中で男前のカカシと美女は、非常に絵になった。
誰もが認めるであろう、美男美女。



イルカはパックンを抱いたまま、動けずにいた。
この状況はなんだろう?
カカシを、この美女はどういう関係なのだろうと詮索してしまう自分がいた。
恐らく、この美女は上忍の、くの一だろうと思う。
嫌な考えも浮かんだ。
俺との付き合いを、もしかして・・・。


様様に考えて動けずにいたイルカの前に、その美女は来た。
不躾にイルカを、じろじろと見てからカカシに言う。
「そうねえ、太ったかしらね。」
「やっぱりね。」
カカシは美女の言ったことを聞いて溜め息を付いた。
「これでは駄目よ。ダイエットしないと、いざという時、動けないわ。」
「そうだよねえ。」
知らない人間にいきなり、そんなことを言われたイルカは目を白黒させてしまう。
会ったこともない人に突然、体型のことを指摘されても何も言い返せない。
しかもカカシが同意しているのである。
この前、体重計ったときは特に増えていなかったぞ。
イルカは、そう言いたかった。
失礼にも程がある、と。



「だよね、ありがと。」
カカシは美女に礼を述べるとイルカの傍に来て、イルカの腕の中のパックンをひょいと取り上げた。
「だって。聞いた?パックン、ダイエットしないとね。」
「え?」
イルカは流石に頭にきて言い返そうとしてのだが、カカシが言ったことを聞いて喉まで出掛かっていた文句が詰まった。
パックン?
美女はヒラヒラを手を振ると「じゃ、ダイエット頑張ってね。」と去って行ってしまう。
「あの、今のは・・・。」
展開が分からずカカシに聞くと、カカシは大仰に肩を竦めた。
「ああ、あいつね。俺と同じ忍犬使いで、そんでもって、ものすごく犬が大好きなやつなんだよね。」
「はあ。」
「で、犬好きと犬に関しての知識は犬塚家と勝るとも劣らずで。」
「なるほど。」
「木の葉の忍犬を総て網羅していて、忍犬たちからも一目置かれている存在でして。」
カカシは説明した。
「で、通称犬博士って言われてるほどなんです。」



そんな人がいたのか、知らなかった、とイルカは先程の美女の顔を思い出した。
俺を見ていたわけではなく、俺の腕の中のパックンを見て言っていたのか。
「あいつ、人間には興味がなくて犬の方が好きなんです。変わってますよねえ。」
「そうなんですか・・・。」
「最近、パックンが太ってきたような気がしてダイエットをするように言っていたのに太ってないって言い張るから、あいつに見てもらったんですよ。」
カカシの言葉を聞いて、カカシに捕まっているパックンが「離せ〜。」とじたばたと暴れた。
「こら!」
カカシがパックンを叱りつける。
「あいつも、ダイエットしろって言っていたでしょ?今日からご飯、減らすからね?」
「・・・仕方ない。」
パックンは力なく項垂れて、ぽんと消えた。



「さ、昼飯に行きましょうか。」
二人だけになるとカカシは嬉しそうにイルカを誘う。
「はい。・・・あのう。」
イルカは気になっていたことを尋ねた。
「さっきの犬好きの方、綺麗な方でしたね。」
「綺麗?」
そうだったかな〜とカカシが首を傾げた。
「そんなこと一度も思ったことないですけど。」
「あんな綺麗な人じゃないですか。」
イルカの呟きをカカシは素早く聞き取り、眉を顰めた。
「え〜、イルカ先生。あいつは人間より犬がいいって言ってますよ。」
それに、とカカシは、さり気なくイルカの指に自分の指を絡めた。



「イルカ先生には俺がいるでしょ。」
「ちょっと、指!」
イルカは慌てて、絡められた指を取ろうとしたが、カカシの力は強かった。
「だーめ。俺より、あいつを気にかけたので、昼飯を食べに行く店までこのままです。」
「もう。」
イルカは諦めたように笑った。
「いいですよ。でもね。」
桜とカカシ先生って絵になりますね、とさっき思ったことを正直に述べてみた。
「そうかな。俺はね。」
カカシも微笑んで言う。
「桜の木の下にいるイルカ先生にどきどきしました。」
「俺?」
「そうですよ。」
絡めた指をカカシは引き寄せた。
イルカの体がカカシの体に触れる。



「春だからかな。好きな人に、どきどきしちゃうね。」
「そうですね、春だから。」
麗らかな春の日、恋人たちは楽しそうであった。







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