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過剰反応



定期的に火影さま主催の大人数での飲み会が開催される。
火影さまは酒が大好物で。
階級関係なしに大勢で、ワイワイガヤガヤと大騒ぎして飲むのが五代目の火影さまは好きらしい。
今夜も火影さま主催の飲み会だ。
明日は休みだから夜通し、朝まで飲み明かすのが容易く予想できる。
カカシは飲み会自体には余り興味がなかったが「一緒に参加しませんか?」と誘われた人に大いに興味があったので参加してみたら…。
その人は普段のイメージとお酒を飲んだ時は大いに違っていた。
ギャップがあり過ぎた。



お酒を陽気になるのはいい。
終始笑顔になるのもいい。
ほんのり顔が赤くなるのもいい。
砕けた口調もいい。
気安くなるのもいい。
俺の目からだが、ちょっと色っぽくなるのもいい。
心のガードが低くなるのもいい。
結構大胆に俺から相手の体に触れられるのもいい。
色々といい。
だが、しかし。
大きな落とし穴があった。



大きな座敷で隣通しで座ったのだが、その人は酒が入ると、あることが過剰になるのが癖みたいだった。
「楽しいですねー、カカシさん」
最初は、にこにこ笑って飲んでいた。
「カカシさんと話が出来て嬉しいです」とか言っていた。
あれ、と思ったのは、ふとした瞬間。
ぴたっと肩と肩がくっ付いていた。
かなり近い距離になっていたのだ。
顔も、すぐそばだった。
・・・キスしようと思えば、出来るくらいの。
「ねえ、カカシさん」
屈託なく笑う顔は酒がないっているからだろうか、誘っているようにみえる・・・。
ってなんの?
無意識に思ったことについてカカシは頭の中から、その考えを追い払った。
誘うってなんだ?
相手は男なのに。
同性同士の気の緩み、酒の席での気の緩みで肩と肩がくっ付いているだけだろう。
そう思い込もうとしてカカシは酒を一気に煽った。
グラスが空く。
手酌しようとしてグラスを持っていない方の手が塞がっているのに気がついた。
左手が空いていない。
ぎゅっと握られていた。
おまけに指まで絡まれて・・・。
先ほど言ったように相手は同性で知り合い以上友人未満な人で。
その人の名はイルカ先生。



イルカは無邪気にカカシにくっ付いて、カカシの指に自分の指を絡ませて笑っている。
男同士が指を絡ませて手を繋ぐ行為に対して露ほどにも疑問に思ってなさそうだ。 周りも皆、飲んでいる所為でカカシとイルカがしていることについて制する者も、からかう者もいない。
楽しい雰囲気に包まれている。
・・・こんなものなのか。
酒が進むにつれて、だんだんとイルカはカカシの領域を侵食し始めた。
肩に寄り掛かって、肩に頭を乗せてきて、指を絡めたまま腕を組んできたり・・・。
カカシも咎めようとは思わなかったがイルカも止めようとしなかった。
むしろイルカと触れ合うことが心地よい。
カカシに凭れかかりながらイルカは酒を飲み、周囲の人間を話している。
途中、同じく飲み会に来ていた同僚と目が合った。
紅とアスマだ。
二人はカカシとイルカを見ても特に驚くことはなく、二人して、ひそっと会話していた。 読唇術で自然と口の動きを読んでしまう。
「まただわ、イルカの過剰なアレ」
「今夜はカカシかー、面白いな〜」
イルカの過剰なアレって今夜の自分って?
不可解に思いながらカカシは、その真意を問いに行こうと思わなかった。
だってイルカに構うのが忙しい。



元々、イルカにそれなりの興味があったのだが、今日、イルカが自分で寄り添ってきたことで確信してしまったのだ、自分の気持ちに。
イルカに対する自分の気持ちに。
こんな時だが思ったのだ。
イルカが好きだと。
それなりの興味の下地は恋や愛だ。
日常、イルカと接するうちに、いつの間にか、そんな気持ちが芽生えていた。
それが今日、形となった。
自分の気持ちが分かれば、後は早い。
イルカを自分の手中に収めたい。
早く言えばイルカに告白して、正式に恋人同士に相成りたいのだ。
それがカカシの願望になる。
・・・今は酒の席だし、後日、素面に戻ってから。
ムード満点な場所で告白しようとカカシは決めた。
今日はイルカを離さないようにして。
寄り掛かってきたイルカの肩に、腰に手を回して、どこかに行かないようにした。
イルカは、そんなカカシの行動を不審に思うことはなく、最後にはカカシの首に腕を回して抱きついてきたりした。
もちろん、イルカは多少なりとも酔っていた。
しかしカカシにとって最も嬉しく、幸せな時間だった。



後日。 カカシはイルカに平に謝られた。
「本当にすみません、申し訳ないです、ごめんなさい」
頭を深く下げられて、謝罪の言葉を次々と言われる。
「俺、酒が入ると、ついついスキンシップが過剰になってしまうんです」
「スキンシップ?」
「そうなんです」
すみません、と謝りながらイルカは続ける。
「酔うと人肌恋しくなるって言うか、隣に座っている人や親しい人にくっ付って離れなくなったりして、その・・・」
もごもごと言葉を濁す。
酔うとイルカが、いつもしていることだから周りも何も言わなかったのだ。
「カカシさんだったら、しないと思ったんですけど」
済まなそうな顔してイルカは、また頭を下げた。
「すみません、本当に反省しています。もうしません」
「・・・それは他の人にもしたことあるの?」
「え?ええ、まあ」
「何人くらい?」
「さあ・・・」
低く険しいカカシの声に気圧されたのか、イルカがやや怯む。
「俺のしたようなこと、他のやつにもしたんだよね?」
「多分・・・」
「指を絡ませたり、腕を組んだり、肩をくっ付けたりして甘えたりしたんだよね?」
「甘えるっていうか・・・。そんなつもりはなかったんですけど・・・」
「いつ、誰に、どんなことをしたんですか!」
カカシに詰め寄られてイルカは、たじたじだ。
「ご、ごめんなさい」
思わず、謝ってしまう。
カカシは今更になって、紅とアスマが言っていたことの意味を悟った。
イルカの過剰なアレとは、酒を飲んだときの過剰なまでのスキンシップ。
今夜はカカシとは、今日のスキンシップのターゲットはカカシであったということだ。
「ダメです、許しません」
がっとカカシはイルカの肩を掴んだ。
真正面に顔を見据える。
「俺以外のやつに、あんなことやこんなことするなんて今後、一切ダメですからね」
「は、はい」
カカシの勢いに押されてイルカは頷いてしまった。
「俺にならいいです、何しても」
「・・・はい」
一応、イルカは頷いたのだが。
カカシの言った意味を理解したとき、大いに戸惑っていた。
だが、それも束の間。
じきにカカシとイルカは二人で幸せそうに笑う姿が見られたのだった。
しっかりと手を繋いで。






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