お返し
ふと、何気ない時にカカシさんが背中から抱きついてくる。
ぎゅーっとね。
そんな時、俺は「重い!」とか「邪魔です!」とか、ついつい言ってしまうんだけど。
実は、すごい嬉しかったりする。
動けないほど力を籠められたりすると口調とは裏腹に、もっと抱きしめていて、と思っちゃうんだけど。
だけど、だけどさ。
そんなこと、成人して何年も経っている大人が言えるはずもなく邪険にしてしまう。
カカシさんは俺に邪険にされても、楽しそうに「イルカ先生ってば、嘘ばっかり。本当は嬉しいんでしょう?」と笑っている。
その通りなんだけど、ね。
何で解るんだよ・・・。
嬉しすぎるじゃないか、言わなくても解ってくれるなんて。
だから、仕返しをした。
背中を見せるカカシさんに、ここぞ、とばかりに抱きついた。
これでもか、ってほど力を籠めて抱きつく。
「わ!イルカ先生、どうしたの?」
カカシさんは、「きゃー、やめて。」とか、巫山戯た調子で言っているけど、すっごい嬉しそうだ。
きっと俺もカカシさんに抱きつかれた時に、こんな顔をしているんだろうな。
こんな、幸せそうな顔を。
「いつも、やられているから仕返しです。」
俺は頑張って、抱きつく腕の力を強めた。
あははは、と声を上げて笑いながらカカシさんは言う。
「イルカ先生、仕返しじゃないよ。これは、お返しって言うんでしょう?」
バレていた!
カカシさんに抱きつかれて、俺の嬉しい気持ちをカカシさんにも、あげたくて。
でも、そんなこと言えるはずもなく。
「違います!仕返しですってば。」
否定したけど離れたくなくてカカシさんの背中に、ぴったりとくっ付いた。
カカシさんの広い背中。
大好きだ!
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