願い事
寒い冬空の帰り道。
イルカ先生は俺の隣を歩いていて天上に輝く星々を楽しそうに見ていた。
目で星座を探したりしている。
冬は空気が澄んでいて星の冴え冴えとした光が美しい。
はあっと吐き出した、俺の息が白くなって空に消えた。
「あ、流れ星だ。」
イルカ先生から弾んだ声が出た。
そして、その後にイルカ先生の願いが聞こえる。
「カカシさんが俺より長生きしますように。カカシさんが・・・。」
だが願い事を三回言う前に星は消えてしまった。
「あーあ。」
イルカ先生は残念そうに少し笑う。
「三回言う前に消えちゃいました。」
がっかりしているけど俺は願い事を聞いて、ちょっとだけ悲しかった。
だってイルカ先生がいなくなって一人で生きるのは辛いから。
「イルカ先生。」
俺は、息を吐いて指先を温めようとするイルカ先生の手を取った。
「そんなの駄目だよ。」
「え?」
「二人で長生きしなきゃ。」
イルカ先生は少しだけ俺を見つめて優しく笑って言った。
「そうですね。じゃあ、次は『二人で長生きできますように』ってお願いしますね。」
「うん。」
「星がお願いを叶えてくれたらいいんですけどね。」
呟くイルカ先生と手を繋いで歩き出す。
イルカ先生は星に願いを、なんて可愛いこと言っているけど。
俺はさ、全力でイルカ先生と木の葉の里を守るから。
だから二人で生きよう、いつまでも。
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