真夏の太陽
夏は暑い。
暑いと喉が渇く。
だから水分を摂る。
それは分かる。
体調をコントロールできる忍だって、暑い時は水を飲むさ。
だけどもさ。
任務の合間に水分摂取するサクラを、俺は感慨深く眺めた。
サクラはもう十五歳で、より女性らしい感性を持ち体つきも女性らしくなって、口も達者になり口喧嘩をしようものなら、到底、俺もナルトも敵わなくなっていた。
おまけに怪力も兼ね備えているから、これから、どんな女性になっていくのか、末恐ろしい、いや、楽しみだ・・・。
そんなサクラの水分摂取の方法は、中味を凍らしたペットボトルを持参し、休憩時間には程よく解凍するので、それを飲んでいる。
冷たくて美味しいらしい。
ナルトも最近は真似をしている。
それはいい。
それはいいのだが問題は、そのペットボトルの大きさだ。
二リットルのペットボトルを片手で楽々と持ち上げて、ごくごくと飲む姿って・・・。
一瞬、サクラが女の子であることを忘れてしまう。
俺が余りにも、じーっと見ているものだからサクラは俺の視線に気づいたらしい。
「なんですか?カカシ先生。」
「え?いやあ・・・。」
有りのまま話したらサクラは傷ついてしまうかも。
思春期の女の子は複雑だからなあ。
しかし、俺の視線の先にある二リットルのペットボトルに気がついたのがサクラは言った。
「女の子が二リットルのペットボトルで飲んだら変ですか?」
「うーん、豪快だなあと思ってさ。」
言葉を濁して答えるとサクラは、にっこりと笑った。
「あら、今の時代、女の子だって力がなくちゃ!非常時に恋人の一人も片手で抱え上げたり、ムード満点の時に横抱きして運べないようじゃ、情けないじゃないですか!」
元気に答えている。
サクラ、恋人を抱え上げるつもりなんだ・・・。
ぶっとんだ考え方に俺が驚いているとサクラは指摘する。
「カカシ先生だって、恋人を軽々と抱えるぐらいのこと、普通にならないと嫌われちゃいますよ?」
頼れるところを見せないと!と逆に激励された。
「そっか、嫌われちゃうか・・・。」
「そうですよ!」
拳を握ってサクラに力説されて俺は決心した。
恋人に頼れるところを見せようと。
そしたら、最愛の恋人はもっともっと俺のことを好きになってくれるはず!
任務が終わって家に帰ると早速、最愛の恋人に俺の頼れるところを見せて、サクラに言われたことを実践してみた。
恋人は「いやだ!」と力の限り、暴れていたが俺は逃がしはしない。
実践してみたら、俺の愛に恋人は息も絶え絶えになって、ぐったりとしてしまったが。
でも愛は伝わり、俺が頼れる恋人だと思ってくれたらしい、成功だ!
次の日、イルカ先生が態々、サクラに会いに来ていた。
「サクラ、昨日、カカシさんに変なこと言わなかったか?」
「変なこと?」
サクラは不思議そうだ。
「言ってませんけど。」
「そうか・・・。なら、いいんだ。」
俺の方を、ちらりと見るとイルカ先生は釈然としない様子でサクラに釘を刺した。
「カカシさんに、恋人云々の話は極力しないでくれよ。」
「何でですか?」
ごく自然なサクラの質問にイルカ先生は、何故か慌てふためいて「た、大変だからだよ。」と早口で答えると、これまた早足で去って行ってしまった。
「イルカ先生、なんだったのかしら?」
サクラは、やっぱり不思議そうにしていたけれど真相を知っている俺は、昨夜のイルカ先生を思い出して、誰にも気がつかれないように、にやりと笑ったのだった。
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