AIで普通の動画を3D動画に変換する
ハイスペック専用サーバー
39周年!BIGサンクスキャンペーン


クリスマスプレゼント




クリスマスには、ちと早いが俺はイルカ先生に、今、欲しいものがあるかどうか訊いてみた。
そう、クリスマスプレゼントのリサーチだ。
こういうことは早ければ早いほど、備えあれば憂いなしということを俺は、去年、学んだ。



・・・・・・去年。
思い出すと歯噛みしたくなるが、一応、今後の教訓のために思い出す。
去年はイルカ先生とお付き合いしてから、一緒に初めて過ごすクリスマスだった。
クリスマスなんて風習は、木の葉の里に最近入ってきた異国の風習だし、俺は大して興味がなくて、でも、まあ、大事な人同士が贈り物を送りあったりして楽しそうだなあ、くらいの認識だったのだ。
そう思っていたのだが、心のどこかでは何かを期待していて、うきうきとしていたに違いない。
だって、そのクリスマス前日、当日と任務が入ってしまって、俺は木の葉の里にいられなくなってしまったのだ。
その時の俺の絶望ににた挫折感といったら・・・。
せめて、イルカ先生にプレゼントを用意していたらよかったのになあ。
俺は、すごく後悔した。
イルカ先生も一人で寂しかったに違いないが、口に出したりしない人だし。
それも切ない。



結局、任務は長引いて、俺がイルカ先生に会えたのは年明けだった。
クリスマスも一緒にいられなかったばかりか、正月までも離れ離れだなんて・・・。
正直、がっくりときてしまった。
任務を割り振った火影様に恨み言も出てきて、ちょっぴりやんわり、くどくどと、それを申し立てたら火影様は今年は、俺に年末年始の任務の割り振りは避けてくれると約束してくれた。
つまり、里にいていいということだ。
イルカ先生と一緒に年末年始を過ごせる、とはいうものの、そこは油断大敵。
その火影様との約束は、いつ翻るか分からないので、俺は用心には用心を重ねて、クリスマスの準備を万端にしておきたかったのだ。



「イルカ先生、欲しいものとかってありますか?」
ふとした折に何気なく、さり気なく自然に訊いたみた。
「なんでもいいんですよ、俺に教えてください。小さなものでも大きなものでも、中くらいのものでもいいですから。」
「欲しいもの?」
イルカ先生は首を傾げる。
「欲しいもの、ねえ。」
うーん、と考えているイルカ先生に俺は畳み掛ける。
「なんなら、手編みのセーターとか手袋とかマフラーとかでもいいですし。あ、手作りケーキとかでもいいですよ。」
そこまで聞いてイルカ先生は、くすりと笑った。
「あー、カカシさん、もしかして。」
ちょっと、いたずらっ子な感じな目つきで俺を見る。
ぎくり、もしかして、バレた・・・。



俺は慌てて、フォローに走った。
「もしかしてってなんですか?べ、別に俺はクリスマスにイルカ先生に贈るプレゼントは何がいいか、と思って欲しいものを訊いている訳じゃないですよ。」
何かを察して、イルカ先生の笑みが深くなった。
「クリスマスって来月じゃないですか。まだ、十一月ですよ。こんな早くからイルカ先生が欲しいものを調べて準備しようなんて話だったら、気が早いですよね〜。」
あー・・・。
焦った俺は、気がつけば自分で全部、暴露してしまっていた。
なんてことだ・・・。



イルカ先生は笑みを深くしたまま、俺の頭を撫でた。
そして言う。
「優しいですね、カカシさん。」
「え、優しい?そうかな〜。」
俺はイルカ先生に褒められて、でれっとなってしまった。
気分は、まるでアカデミーの生徒のようだ。



「欲しいもの、そうですねえ。」
イルカ先生は真面目に答えてくれた。
「この年になると欲しいものは、物とかではなくなってきますね。」
「え?」
物とかではないって、どういうことだろう。
それを訊くとイルカ先生は俺を見て、優しい顔になった。
「みんながいつまでも元気でいますようにとか、怪我も病気もしないようにとか思ってしまいますね。それから・・・。」
俺を見つめるイルカ先生の瞳が優しくなる。
「大事な人が任務から無事に帰ってきますようにとか。」



大事な人が無事に、って。
それは去年の俺のことだろうか。
そんなことを思って俺は胸が詰まった。
ごめんね、と心の中で呟いた。



何も言わないだけでイルカ先生は去年の年末任務に出て、里にはいない俺を心配してくれていたんだなあ。
嬉しさとイルカ先生への愛しさと、寂しい想いをさせてしまった悔いの気持ちが押し寄せてきて俺は目の前のイルカ先生を抱きしめてしまっていた。
強く固く、腕の中に閉じ込める。
大好き、イルカ先生。



俺に抱きしめられて戸惑いながら、イルカ先生は続けた。
「だ、だから今年は、もしもカカシさんと一緒にクリスマスもお正月も過ごせるんだったら、それでいいですから。」
それで満足です、と言いながら抱きしめられることに抵抗があるのか、恥ずかしいのか俺の腕から出ようと必死に、もがいている。
「そっか。」
それを聞いて幸せ、いっぱいな俺。
もがくイルカ先生を容易く腕の中の閉じ込めたまま、ほんのりと染まっている頬に唇を寄せた。
頬に口付けると、もがいていたイルカ先生の動きは、ぴたりと止まり染まっている頬は赤味を増している。
可愛い人だなあ。
ふふ〜と俺は笑って恭悦至極、大満足した。



ま、クリスマスプレゼントは追々、じっくりと考えて抜かりなく準備して、絶対渡そうと密かに決心した俺だった。







text top
top