スパイシー&スウィート2
俺が家に帰り着くとイルカ先生は、さっきのことなど忘れたかのように、しれっとしてお茶の用意をして待っていてくれた。
「あ、カカシ先生。お帰りなさい。」
いつものように出迎えてくれたけど、途中まで一緒に帰っていたでしょうが。
「ただいーま。」
サンダルを脱ぐと俺はイルカ先生に抱きついた。
抱きついて、キスしようとした。
もちろん、すっごく甘いキス。
するとイルカ先生は先ほどのことを思い出したのか真っ赤になって暴れ出す。
「ちょっとカカシさん、止めてくださいって。」
無駄な抵抗をするので俺は、こちょこちょとイルカ先生を擽ってみた。
イルカ先生は、こそばゆいのか体を捩って俺の腕から抜け出そうとするけど、如何せん、笑いながらなので体に力が入らない。
「あはははって、止めて〜。くっ、擽らないで。」
すごく笑っている。
「やめませーん。」
「や、止めてって、カカシさん。あ、あははははっ。」
イルカ先生は笑っているので力が抜けてしまったのか床に崩れ落ちたけど、それでも俺は擽るのを続行した。
笑っているイルカ先生は「苦しい〜。」と顔が赤らんで涙目になっている。
そろそろ、止めてあげたほうがいいかな。
でも、と俺は、きらりと閃いた。
擽るのを少し弱めて俺は条件を出した。
「イルカ先生が甘ーいキスしてくるってなら擽るの止めますよ。」
「甘いキス?」
一瞬だけ、擽られているのを忘れたかのようにイルカ先生の動きがぴたりと止まり、再び、笑い出す。
笑いながらも首を振ってキスを拒否した。
「む、無理ですって。そ、そんなの〜。」
「ええ〜。」
俺は擽るのをパワーアップしてみた。
必死で俺の魔の手から逃げようをするイルカ先生を簡単には逃がしはしない。
到頭、イルカ先生は降参した。
「わっ、分かりました。し、しますから。」
息が過分に切れている。
「絶対?」
「ぜ、絶対・・・。」
「じゃ、約束ね。」
イルカ先生が、こくりと首を縦に振るのを見て俺は擽るのを止めた。
息が切れたイルカ先生は、暫く、はあはあとしていたが、そのうち、熱の冷めない赤らんだ顔のまま怒り出した。
「ずるいですよ、カカシさん。」
俺のことを睨んでくる。
「人の弱点に付け込むなんて。」
「ずるくないです。こういうのは作戦勝ちって言うんです。」
減らず口を叩いてみるとイルカ先生は押し黙った。
それにさ、いいこと聞いちゃった。
「擽られるのが弱点なんですね。」
「なるほどなるほど。」と俺が、うんうんと頷いて納得しているとイルカ先生が、むきになる。
「擽られるのが弱点なんかじゃないですからね。」
「ふーん。」
じゃ、もう一回擽る?と手を、グーパーさせるとイルカ先生は少し身を引いた。
「・・・ちょっと、弱いだけです。擽られるのが。」
ま、今日は、もういいか。
弱点は分かったし、楽しみは次に取っておこう。
ということで、俺は約束を実行してもらうことにした。
キスが終わるとイルカ先生は、またまた息を切らしていた。
俺も少々、息が上がっている。
強く抱きしめあって、深く長くしたキスは何よりも甘い。
キスが終わった後も、甘い余韻が残っていて俺たちは抱きしめあっていた。
この、キスが終わった後の満ち足りた雰囲気が、また、いいんだよねえ。
心も体も元気が漲る感じだ。
「あ。」
俺の肩口に顔を埋めていたイルカ先生が何かを思い出したように声を出した。
「どうしたの?」
「ええ、今、思いついたんですけどね。」
イルカ先生が俺の顔を見る。
すごく間近で見詰め合う俺たち。
「カカシさんは・・・、その。」
言い難そうにしている。
「俺と、甘いキスってやつをしてますよね。」
「すっごく甘いのね。」
「はあ、そうですけど。」
恥ずかしいのか目を伏せるイルカ先生。
「なのに、さっきの帰り道で俺に『甘いものばかり口にしていると辛いのが苦手になる』って言っていたのに。」
「ああ。」
何で俺は辛いのが平気なのかってことかな?
イルカ先生と毎日、すっごく甘いキスをしてるのに。
「それはねえ。」
俺はイルカ先生の額に自分の額を、こつんと合わせる。
「それは俺が、もっともっとずっとずっと、すっご〜く甘いキスを御所望だからです。」
「え?」とイルカ先生が俺の腕の中で固まった。
「ご、御所望って。今ので、充分ですよね・・・?だって、あの・・・。」
すごく甘いキスでしたよ、と小声で言っている。
「ううーん。もーっと、すっごーく甘いキスがいい。」
なんていうか可愛いっていうのか、イルカ先生が真っ赤になっている。
抱き合っているのでイルカ先生の心臓の鼓動が早くなるのが感じられた。
でも俺も、どきどきしている。
「もっと甘いキスしましょう。」
そう囁いてイルカ先生を誘う。
「大好き、イルカ先生。」
ぎゅっと抱きしめる腕に力を込めるとイルカ先生も抱きしめ返してくれた。
「俺も、カカシさんが大好きです。」
それから俺たちはキスをした。
もっとずっとすごく甘いキスを。
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