いくらでも
今日は珍しく七班と八班との合同任務だった。
任務っていっても里内でのお寺の修理とかだけど。
休憩時間にサクラといのが話をしていた。
それが何気なく耳に入ってくる。
「ねえねえ、昨日ね。急にボールプリンが食べたくなって作って食べちゃったの。」
「あー、分かるー。急に食べたくなる時あるよね。」
サクラといのはにこにこしながら話している。
「ボールプリンて美味しいよね〜。あっという間に食べちゃうわ。」
「うんうん、作る時間は長く感じるのに食べる時は一瞬だよね〜。」
ここまでの会話と聞いて俺は疑問がわいた。
ボールプリンて何だろう?
プリンは知っているけど、あんな柔らかい食べ物をどうやって丸い球体にして食べるのだろうか。
サクラに訊いてみた。
「ねえ、どうやってプリンを丸いボール型にするの?」
「え?何、カカシ先生。」
「さっきから、ボールプリンって言ってるから。」
俺の問いかけに二人は呆けたような表情をしたのだが次の瞬間、笑いだした。
「やだあ、カカシ先生。」
「ボールって、運動に使うボールじゃないですよ〜。」
俺の質問がおかしかったのか二人はけらけらと笑う。
「ちょっと、そんなに笑わなくていいでしょ。」
俺が眉をやや顰めると、やっと二人の笑いは止んだ。
「ごめんなさーい。」
「だって、まさかそんなこと言われるなんて思わなかったから。」
サクラが簡単に説明してくれる。
「ボールっていうのは調理器具のボールですよ。」
・・・ああ、ボール違いね。
「で、そのボールいっぱいにプリンを作って、それがボールプリンです。」
なるほどね〜。
「で、昨日、そんなにたくさんのプリンを食べたの?」
考えただけで少し胸焼けがしてくる。
「えー、たくさんじゃないですよ〜。」
「そうそう、プリンならいくらでも食べれます。」
サクラといのは顔を見合わせて頷いている。
「ね〜。」
恐るべし、乙女たち。
でもボールプリンにヒントを得た俺は夕飯にあるものを作ってみることにした。
「わー、すごいー。」
俺の作った夕飯を見て仕事から帰ってきたイルカ先生は目を輝かせた。
「俺、こんなの初めてです。」
嬉しそうに俺の作った料理を見ている。
「こんなに大きい茶碗蒸し!」
俺が夕飯に作ったのはボールくらいの大きさの陶器の器で作った茶碗蒸し。
大量にある。
イルカ先生、実は茶碗蒸しが意外に好きだったりするんだよね。
でも家では作るのが難しいと思って作ろうとしなかったんだって。
俺が、そのことを知らなくて何の気なしに茶碗蒸しを作ったら、すっごい喜んで食べてくれた。
それ以来、俺は時々イルカ先生のために茶碗蒸しを作っている。
「その大きい器の茶碗蒸し、イルカ先生が食べていいですよ。」
「え?本当ですか。でも、カカシさんは?」
俺の分は普通サイズで作ってあるので、それでいい。
そう言うと早速、イルカ先生は「いただきまーす。」とスプーンですくって茶碗蒸しを食べ始めた。
すっげー、幸せそうに。
そんなイルカ先生を見て俺も満足だ。
「カカシさん、すごく美味しいです。」
見る間に半分食べてしまった。
「また作ってくれますか?」
「もちろん。」
俺は同じく普通サイズの茶碗蒸しを食べながら嬉しくなる。
そんなに喜んでもらえるなら、いくらでも作っちゃうよって。
イルカ先生の笑顔が大好きだからね。
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