不注意
まあ、あれだ。
授業で失敗して、ちょびっと刀で腕を切ってしまったわけだな。
久しぶりに刀を扱う授業で調子に乗って、模擬試合とか言って同じ授業を担当していた同僚と刀を合わせたら、白熱しちゃったんだな・・・。
それは反省。
子供がいるのに自分が夢中になってはいけないよな。
そこんとこは後でアカデミーの学年主任にこってり怒られた。
反省文も後で提出することに。
とりあえず模擬試合相手の同僚に付き添われて急いで病院へ直行。
俺を医者に手渡して同僚は再びアカデミーへ後始末しに帰って行った。
悪いことしたな、と再び反省。
そこでばったりカカシさんと鉢合わせた。
カカシさんは俺を見るやいなや顔色変えて倒れそうになっていた。
怪我をしてるのはこっちだっての。
それにねえ。
「カカシさんの方がひどい怪我をするでしょうに。」
だから、こんな怪我、なんてことないですよ。
そう言って慰めたら「輸血が必要なほど怪我しているイルカ先生に言われたくないです。」と言い返された。
確かにベットに横たわり輸血と点滴を受けているのは様にならないなあ。
カカシさんは俺の怪我してない方の手を、ぎゅっと握って俺を見た。
目は口ほどに物を言う。
怪我なんてしないでとカカシさんの瞳が訴えている。
自然と俺の口から出る言葉。
「・・・ごめんなさい。」
カカシさんは心配そうな表情を織り交ぜた顔で少し笑った。
「大事がなくて良かったです。」
「はい。」
俺は小声になってしまった。
カカシさんは優しい。
その優しい人を悲しませてはいけない。
俺にできることは少ないから。
せめて、それくらいはしなけりゃ。
ごめんね、カカシさん。
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