大事な秘密
「イルカ先生、見て見て〜。」
カカシ先生が嬉しそうに言う。
「お手玉十五連鎖、できるようになりましたよ〜。」
ほらね、と華麗に投げる。
「本当、上手になりましたね。」
カカシ先生、最初は全然できなかったのに。
それを思い出して、クスリと笑いがもれた。
授業で、お手玉をやることになって俺は家で練習していた。
子供たちには最初は安全なものを使い、コントロールを正確にさせるってことで。
教師の俺はお手本を見せるために一応練習。
それを見ていたカカシ先生は興味深そうに近寄ってきた。
「ちょっと、やらせて下さいよ。」
「いいですよ。」
はい、とお手玉十五個を渡す。
カカシ先生は先日、クナイ二十本でお手玉していたので、本物のお手玉の十五個くらいは大丈夫だろう。
ちなみにクナイお手玉を見たのは七班にお手本として披露していた時に偶然通りかかった時だ。
いやー、あの時はつい見入ってしまって、受付けに戻るのが遅れて同僚に怒られてしまった。
反省反省・・・は置いといて。
カカシ先生を見ると。
ボトッ。
ボテッ。
お手玉を落として全然出来てない。
何で?
「難しいですね。」
「え?」
「だって、これ軽すぎるし、どこを掴んだらいいか分かりませんよ。」
「どこって、どこでもいいんですよ。」
うーんと唸ってお手玉に再挑戦するカカシ先生。
「こんな難しいのイルカ先生、よくできましたね。」
「・・・明日はアカデミーの低学年クラスがやりますけど。」
「ええっ!」
ええっ!てこっちがええっ!だけど。
カカシ先生にも意外な弱点があったんだな〜。
ちょっと、感動してカカシ先生を見ていた。
そんなことを思い出して、ますます笑いがこみ上げてくる。
カカシ先生がお手玉、出来なかったなんて知ってるのは木の葉広しといえど俺だけだろうな〜。
ま、誰にもこのことは言うつもりはないし。
俺だけの大事な秘密だ。
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