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早る気持ち



カカシはアカデミーへ仕事終わりのイルカを迎えに行く途中だったのだが。
ある光景に遭遇する。
桜の木の下に立つイルカとイルカのアカデミーでの生徒であろう子供がいるのを目撃してしまった。
二人は何だか深刻な顔をしている。
カカシは悪いと思いながらも、そっと聞き耳をたててしまった。
「先生、俺、どうしたらいいと思う?」
生徒は思いつめた様子である。
「そうだな、まずは自分の気持ちを素直に言ってみたらいいと思うよ。」
イルカは優しくアドバイスしている。
「分かった。じゃあ言ってみるよ。」
生徒は大きく頷いて深呼吸をして言った。



「結婚してください!」



「だめだ!」
生徒が叫ぶのと同時にカカシはイルカと生徒の間に姿を現し、二人の間に割って入ってイルカの姿を自分の背後に隠す。
「イルカ先生は君とは結婚できません。」
ごほん、と咳払いしてカカシは勿体をつける。
「なぜなら俺がいるから!」
格好良く親指を立てて自分を指して見せた。
ちょっとだけカカシのライヴァルのあの人に似ていた。
「俺とイルカ先生は、相思相愛!誰にも入る余地はありません!」
突然のカカシの出現にイルカを生徒は、ぽかんとしてカカシを見つめている。
「あの、カカシさん?」
先に正気を取り戻したイルカが、とても言い難そうにカカシに言った。
「俺、今、この子から恋愛相談受けていて、好きだって気持ちを相手にどう伝えればいいのかって聞かれて。」
イルカは生徒に向かって微笑んだ。
「素直に気持ちを伝えればいいって言っていたんだよな。」
イルカの言葉に生徒は、こくりと頷いた。
「それで今、気持ちを伝える練習するっていうから俺が聞いていたんです。」
それを聞いて「え?」とカカシの動きは止まった。



生徒は照れくさそうに、もじもじとしている。
「ねえ、イルカ先生。さっきのどうだった?」
「そうだなあ。」
イルカは生徒の頭を撫でながら微笑んだ。
教師の顔をしている。
「いきなり結婚というのは、ちょっと気が早いな。まずは好きだという気持ちを最初に言ってみた方がいいんじゃないか?」
「わかった!」
生徒は元気に返事をすると「早速、言ってみるよ!」と手を振って行ってしまった。
イルカも「頑張れよー。」と手を振り返している。



後にはカカシとイルカが残った。
イルカは、まだ動きの止まっているカカシを見ると、くくく、と面白そうに笑う。
「カカシさんでも勘違いすることがあるんですね。」
「そりゃあ、俺だって人間ですからね。」
漸く、動けるようになったカカシは肩を竦めた。
「大事な恋人が生徒であろうが子供であろうが『結婚してください』なんて言われていたら形振り構わず阻止しますよ。」
「そうですか。」
イルカは、きゅっとカカシの手を握った。
「それで形振り構わずガイ先生風になってしまったんですか。」
「それは偶々です。」
カカシもイルカの手を握り返す。
「しかし今の子は、ませていますね。」
先程の子供が言ったことをカカシは思い出した。
「好きになったら、即、結婚を申し込もうとするとはねえ。」
「カカシさんほどじゃありませんよ。」
イルカは何かを思い出したのか呆れたように言った。
「カカシさんは、いきなり押しかけてきて同居だったじゃないですか。」
「そうだったかなあ。」
カカシは、しらばっくれた。
「そうですよ。俺は、しっかり覚えていますからね。」
「まあまあまあ、いいじゃないですか。」
まだ続きを言おうとするイルカの口を柔らかいキスで封じ込める。



「今はこんなに愛し合ってるんですから。」
その言葉を聞くとイルカは、ぷいとカカシから顔を背けた。
顔が真っ赤だ。
「それにー。」とカカシは訂正を入れた。
「俺がしたのは同居じゃなくて同棲ですから。」
やっぱり押しかけて一緒に住み始めたことは、きっちり覚えていた。
「ずるいなあ。」とイルカは言ったのだが、その顔はどう見ても幸せそうであった。




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