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ハートマーク



カカシさんが報告書の文章の語尾にハートマークを描いて、報告書を提出してくるようになった。
ハートマーク・・・。
何ゆえハートマーク?!
俺は、さっぱり訳が解らない。
でもまあ、報告書にハートマークを描いてはいけないという規定はないので、というか、そもそもハートマークを描いて提出する人がいない。
どうしようか、と思っているうちにカカシさんが報告書に描いてくるハートマークは進化して、より可愛いラブリーな物となり、それを見ている俺は何か心が和んだ。
だから、まあ、いっかと思って、それをそのまま火影さまに提出していた。
因みに提出された報告書を含む、総ての書類に里の長である火影さまは目を通す。
だから、仕事の量が膨大になってしまうのだが。



ある日、受付所で俺の隣に火影さまは座っていた。
そこへカカシさんが、いつもの通り報告書を持って現れた。
俺のところへと報告書を提出してくる。
にこにことしながら。
「これ、お願いします。」
「はい、お預かりします。」
さっと報告書にチェックすると、これと言って不備もない。
オッケーだ。



ハートマークは、いつにもまして可愛く、数も多かった。
ちら、と隣に座る火影さまを見ると眉を顰めていてカカシさんを、じろっと睨みつけている。
なんでだろう?
でも、とりあえず俺はカカシさんに言った。
「報告書は大丈夫です。任務、お疲れ様でした。」
そう言って笑顔を向けた。
いつも里のために一生懸命なカカシさんに。
「いやあ。」
カカシさんは照れたような顔になり、がしがしと頭を掻いていた。
「イルカ先生の笑顔を見ると元気が出るし・・・。」
照れちゃうなあ、と言ったので、やっぱり照れていたらしい。
俺の笑顔くらいなら安いものだ。
それで元気が出るなら、いくらでも。
俺が、にこにことするとカカシさんも、にこにこする。
にこにこにこにこにこにこ・・・。
それが暫く続いた時だった。



「えーい、まどろっこしい!」
隣に座っていた火影さまが受付所の机に、バーンと手を突いて立ち上がった。
受付所の机は辛うじて壊れるのを免れた。
「カカシ!この、ゆっくりのんびりまったりしたアプローチじゃ、いつまでたっても、なああーんにも始まらないぞ!」
突然、叫んでいる。
いったい、何のことだろう?
「これだよ、これ!」
火影さまは俺が持っていたカカシさんが提出した報告書を取り上げてハートマークを指差した。
「ハートマーク描くだけじゃあなあ!相手に自分の気持ちは伝わらないんだよ!」
ひと際、火影さまの声は高くなった。
「好きだって気持ちが!」



受付所は、シーンとなった。
受付所にいた皆が皆、火影さまが言った言葉を聞いていた。
もちろん、俺も。
俺は驚いてカカシさんを見た。
カカシさん、好きな人いたんだ・・・。
ちょっとした衝撃だった。
誰だろう、好きな人・・・。
衝撃的だったので、つい、それがそのまま口から出てしまった。



「カカシさんの好きな人って・・・・。」
受付所の視線がカカシさんと俺に集まった。
何だか固唾を飲む雰囲気で俺たちを見ていた。
隣の火影さまにも凝視されている。
カカシさんも俄かに緊張した様子で俺の言葉を待っているようだ。
「好きな人って誰ですか?っていうか、好きな人いたんですね!」



受付所のいた何人かが溜め息を吐いている。
え、なんで?
俺、変なこと言ったかな?
見ると火影さまも盛大に溜め息を吐いていた。
「ほらな。だから言っただろう。」
カカシさんに諭すように言っていた。
当のカカシさんは肩を落として消沈というか、撃沈している。
「分かりました、これから精進します。」
人生を悟ったような言い方だった。



次の日。
カカシさんと二人きりになった時。
俺はカカシさんに告白された。
カカシさんの好きだった人は俺だったのだ。
・・・そうか、・・・そうだったのか!
ハートマークはカカシさんの俺に対する好きだというアピールだったのだ。
俺は、ずっと気づかなかったのだが他の人たちは気がついていたらしい。
なんてことだ!
ちょっと真っ青になった俺だったけど。



ハートマークで愛をアプローチするカカシさんて可愛いなあと密かに思い。
そしてハートマークが周りに飛び散っているのではないかと思われるほど、俺を愛してくれるカカシさんを俺は好きになり。
最初は、びっくりしたけれど今では仲良く、とっても仲良くて、仲が良すぎるほどである。
ハートマークが結んでくれた縁だった。






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