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俺の竜




俺は久しぶりに休みが重なったイルカ先生と、イルカ先生の家で、のんびりしていた。
折角の休みだから出かけたらいいのかもしれないが、どちらかというと俺は誰にも邪魔されない家で、イルカ先生と二人きりでいるのが好きだ。
家という狭い空間でイルカ先生と二人きり、なんていい響きだ、うっとりしちゃうよねえ。



今日の休みは、午前中に家事などの雑事を終わらせて昼ご飯も食べ終り、今は特にやることもない。
イルカ先生はリラックスしているのか、自分の家の座敷で、ごろごろと転がっていた。
ついでに俺が昨年漬けた梅酒をソーダ割りか何かで飲んでいて「美味しい。」と、ご満悦な様子だ。
ごろごろしては梅酒を飲んで、梅酒は飲んではごろごろとしているイルカ先生は、楽しそう。
子供みたいだなあ。
まあ、お酒を飲んでいるから大人に間違いはないけれど。



そんなイルカ先生に俺は、にじり寄った。
「イルカ先生。」
呼びかけると、イルカ先生は警戒もせず屈託無く笑う。
「あ、カカシさんだー。」
無邪気だ、可愛い、可愛すぎる。
なんてーか、こう、手の平サイズにでもなってくれないかな。
持ち歩きたいくらいだ。
「イルカ先生、小さくならないかなあ。手の平に乗せたい。」
思わず願望が口から出ると、それを聞いたイルカ先生は首を傾げて考えてから、にこっと笑った。
「いいですよー。」
「えっ?」と思った時には、ぼふんと煙が上がって、小さく変化したイルカ先生は俺の手の平にいた。
でも、この姿って・・・。



イルカ先生は、ただ小さく変化したのではなく、何か見たこともない生き物になっていた。
トカゲみたいな姿に、背中に小さな翼をつけて、手足には鋭い爪がある。
確か、これは昨夜、イルカ先生がアカデミーの授業で教材に使うと言って読んでいた絵本の挿絵に出ていた、空想上の生き物の竜だ。
イルカ先生は小さな竜になっていた。
竜の黒い目の色はイルカ先生と同じ。
何かの遊びのつもりなのかな。
竜になったイルカ先生は「ガォッー。」と吠えて、ゴォッーと火を吐いた。
でも火は全然熱くないし、竜になってもイルカ先生は怖くない。
小さな竜は小さい翼で、ぱたぱたと俺の周りと飛び回りながら、盛んに吠えて火を吐いた。
なんだか、小鳥みたいな感じだ。
暫く面白がって眺めていたけど、でもねえ、なんか物足りない。



俺は、ぐわっと小さい竜を片手で鷲掴みにした。
逃げないように握り締める。
「イルカ先生、この姿が可愛いのは充分、分かりましたから元に戻ってくださいよ。」
いつものイルカ先生がいい。
ねえねえ、とお願いすると、小さい竜は俺に逆らうように火を吐いた。
「駄目ですか?イルカ先生。」
少し力を入れて竜のイルカ先生と握り、軽く揺すると竜は、ぐったりとなってしまう。
「あっ、大丈夫ですか?」
やばい、と思った瞬間、ぼんとイルカ先生は元の大きさ、姿に戻っていた。



ちなみに元に戻ったイルカ先生は俺の腕の中にいる。
「気持ち悪い。」
イルカ先生の顔は青白くなっていた。
「酔ったかも・・・。」
梅酒で?
でも俺が揺らしたからかな。
ごめんね、と背中を擦るとイルカ先生は、そのまま俺に圧し掛かってきた。
二人とも、ぱたんと倒れて座敷に横になる姿勢になる。
イルカ先生は俺の脇に滑り込むと、俺の腕を枕にして目を閉じた。
やがて寝息を立て始める。
「お昼寝タイムか。」
それもいいかもね。
俺は欠伸を一つしてしてから、イルカ先生と抱きこんで、夕方まで休日の昼寝と相成った。
実にいい休日の過ごし方だった。



それから余談になるけど、いいことがあった。
照れやのイルカ先生が、俺に構ってほしくなると時々、小さい竜に変化して俺の周りを飛び回る。
俺の立てた人差し指の先に止まって、火を吐いたりするのだ。
そんな時、俺はイルカ先生に必要にされて求められているんだなあ、と実感して、とても嬉しくなる。
嬉しくなった俺は「はいはい。」と変化を解いて元に戻ったイルカ先生を、いつまでも構ってしまうのだ。



そして最近、俺が目論んでいるのは、小さい竜のイルカ先生を変化を解けないようにして、小さい竜のままポケットに入れ任務先まで連れて行けないかなあ、なんて思っていることだった。
だって、小さい竜の姿でイルカ先生を連れて行ったら面白そうだし、好きな人とは常に一緒にいたい。
でも、実行したらイルカ先生に大目玉を喰らって怒られること間違いなしだから、できないけどね・・・。







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