デート
「イルカ。ほら、これやるぜ。」
偶々、会ったアスマ先生から無料券を貰った。
ドーナツ二十個まで無料で食べれる、所謂タダ券だ。
「え、でも。いいんですか?」
「ああ。」
アスマ先生は笑って言った。
「昨日、ドーナツ屋に八班で行って嫌ってほど食ったからな。その時、それ貰ったんだ。」
お蔭で今日は胸焼けだよ、とアスマ先生はげんなりしている。
俺もドーナツは、それほど食べたいとは思わないが。
でも、あの子達誘って行こうかな。
子供はこういうの好きだろうし。
七班の任務がない日、俺も休みだったので行ってみないかと誘ってみた。
サクラとナルトとサスケに、無料券のドーナツ二十個食いに行かないかと。
サクラは「本当?」って目をキラキラさせナルトとサスケは無料という言葉に、とても惹かれていた。
ともあれ、ドーナツ屋に行くことは決定し無料券は無駄にはなることはなかった。
「それでですね。すごかったんですよ。」
夜、泊りがけの任務から帰宅したカカシさんにドーナツ屋での出来事を話した。
「サクラなんて、ドーナツ十個ペロリと食べちゃって。女の子って、あんな感じなんですかね?」
チョコや砂糖がたっぶりのったドーナツをサクラは大喜びで食べていた。
ナルトとサスケは三個目くらいまでは食べたが、その後は一向に食が進まず、結局、俺も食べるのを手伝う羽目になったのだ。
お蔭で俺は何年ぶりの胸焼けだ。
「いいなあ、俺も行きたかったなあ。」
カカシさんが恨めしそうな目をしている。
もしかしてドーナツが好きだったのか?
「すみません、お土産にドーナツ買ってくれば良かったですね。」
「違うよ〜。」
じゃあ、子供達と行きたかったのか?
「次の休みに七班で、また行ってきたらどうです?」
「違う、違う。イルカ先生。」
カカシ先生が苦笑して、顔の前で手を横に振る。
「行きたかったっていうのは、イルカ先生とだよ。」
「ドーナツ屋へ?」
「ちょっと違うかな。」
あのね〜、とカカシさんは顔を寄せてくる。
「そのドーナツ屋さんて、オープンカフェ形式だったんでしょ?」
「ああ、外で食べれる席も有りました。」
天気が良かったので七班の子供たちとは、そこで食べた。
「だから、俺は天気のいい日にイルカ先生とオープンカフェに行きたいの。」
解った?とカカシさんは可愛い仕草で首を傾げる。
「あの、えーと。」
そんなカカシさんに、どぎまぎして俺は口が滑る。
「ま、まるで、デートみたいですね。」
ふふ、とカカシさんは微笑んだ。
「うん、イルカ先生とデートに行きたいね。」
そ、そうだったのか、じゃあ、えーと。
「次の休みに・・・デートします?」
思い切って誘ってみると。
「うん、喜んで。」
カカシさんは満面の笑みで答えてくれた。
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