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チョコレート




「ん?」
味噌汁を食べていたイルカが首を傾げた。
今は夕飯時でカカシの作ったご飯を二人で食べている。
「今日のお味噌汁、少しだけしょっぱくありませんか?」
「え、そう?」
食事を作ったカカシは、確認のために食べてみる。
いつもと変わらないように思えた。
それにカカシの作る食事は健康を考えて全体的に減塩傾向で作っている。
「うーん、しょっぱいかなあ?」
カカシの疑問にイルカは頷いた。
「少しだけですけど、お味噌汁も魚の塩焼きも。」
「演習があって疲れてたから、塩加減が上手くいかなかったかもね。」
「そうですねえ、今日の演習はハードでしたね。」
カカシもイルカも、今日は模擬戦を主体にした上忍中忍での合同演習で朝から夕方まで、ずっと動いていた。
終了した後は中忍が後片付けやら何やらをして遅くなるので、上忍で早く帰れたカカシが食事を作っていたのだ。
しかし。
「でもさ、一緒に演習したのに、何でイルカ先生だけがしょっぱいとか思うのかな?」
「え?」
イルカがギクリとして、カカシから目を逸らした。
「さ、さあ。」
「だってさ、同じに疲れているなら俺が少しくらい塩辛くしても、気づかないんじゃないの?逆に丁度いいくらいだと思うはずけど。」
「そう、そうですよね。あはは、俺の勘違いですよ。全然、しょっぱくないです。」
イルカは不自然に笑って誤魔化すと、何事も無かったかのように食事を再開した。
何となく、負に落ちないものを感じながらイルカを見ていると時々視線がある一点に注がれている。
イルカの視線を追いかけると、そこにはゴミ箱があった。
すごく気にしているようだ。
ゴミ箱に捨てられている物が気になっているらしい。
多分、イルカはカカシに知られたくないのだろう。
そういえば、アレがない?
カカシは思いついたことがあったのでゴミ箱の中を覗いて見た。
すると案の定。





板チョコの包み紙があった。
これは朝は手付かずでテーブルの上にあったはず。
しかし、今は欠片も残っていない。
「イルカ先生。」
カカシから低い声が洩れた。
「これ、食べましたね?」
「う・・・。」
イルカは正座して縮こまっている。
「あれ程、ご飯前にお菓子の類いは食べないように言っておきましたよね。」
お菓子でお腹一杯にしちゃいけないと、何度もカカシはイルカに言っていた。
「だって、疲れて帰ってきたらテーブルの上に甘いものがあったので。ついつい、ふらふらと手がのびて・・・。」
ご飯の用意を待っていたんですけど、気がついたときには食べ終わっていました、とイルカは白状した。
甘いものを食べた後なら、いつもの塩加減で料理を作ってもしょっぱいと感じるはずだ。
「まあ、いいですけどね。」
カカシは大目に見ることにした。
疲れていたし、イルカの言い分も分かる。
「でも、ご飯はちゃんと食べてね。」
念を押すことは忘れなかった。
「はーい。」
イルカはほっとして返事をして食事を再開した。





「でも、俺もチョコレート食べたかったなあ。」
カカシの発言に顔を上げるイルカ。
「え?ごめんなさい。明日にでも買ってきますね。」
「明日じゃなくていいよ。」
カカシはあることを思いつき、ニヤリとしながら所望した。
「来年のバレンタインにチョコ、買って?」
「バ、バレンタイン?」
「そう。」
大きく頷くカカシ。
「忘れないでね。」
イルカは一瞬、頬を染めた後、「気が長いですね。」と場を取り繕うように口の中にご飯を入れる。
そして、もぐもぐしながら言ったのだ。
「忘れないように、カレンダーに書いておきますから。」
照れ隠しに顰め面をするイルカを見て、カカシは嬉しそうにしていたのだった。







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