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ボス



イルカが妙なことを言い出した。
「もしも俺がカカシさんと任務に出たら、カカシさん、曲りなりにも上忍ですから上官になるわけですよね?」
「曲りなりって・・・。俺は、れっきとした上忍ですよ。」
一応、カカシは訂正を入れる。
「それに、俺とイルカ先生が一緒に任務って・・・。あればいいなあ〜。」
カカシは、なんとなく溜め息をついた。
「そしたら、いつもの百倍くらいやる気がでるのに。」
イルカと一緒の任務を想像して、にんまりする。
「楽しそう。」



ところがイルカはカカシの話を聞いていないのか、別のことを言い出した。
「隊だったら隊長、部隊長だったら部隊長ってことですよね?」
「ああ、ま、そうかな。」
上忍のカカシなら、有りうる話だ。
「じゃあ、だったら。」
イルカの目がきらきらと輝きだした。



「その時はカカシさんのこと『ボス』って呼んでいいですか?」
「・・・なんで?」
「えー、だってですねえ。」
夢見るようにイルカは言った。
「カッコいいじゃないですか!」
「・・・・・・カッコいい?」
「『ボス、準備完了です!』とか『ボス、大変です!』とか言ってみたいんです!」
「・・・ああ。」



カカシはイルカの、その台詞にぴんと来た。
「昨日、見たテレビのギャング映画にありましたね、そんな台詞。」
多分、イルカは映画に影響されてしまったのだろう。
なんていうか、単純で無邪気なところがあるなあとカカシは微笑ましく思った。
「でも、駄目です。」
微笑ましく思ったが、そこはきっぱり断った。
「ええ〜。」
「だって『ボス』って悪役みたいじゃないですか。そんなの嫌です。」
「そっか〜。」
イルカは残念そうだった。
しかし素直に「じゃあ、仕方ありませんね。」と諦めた。



ほっとしたカカシは、ふと、あることに気がついた。
恋愛映画、それもすごく甘ーい映画を見せたらイルカは、それに影響されないだろうか?
『カカシさん、大好き』とか『二人の愛は永遠に』とか言ってくれないだろうか。
ちょっと、そんな映画を探してみよう、とカカシは心の中で、そっと思った。




後日、カカシは目撃した。
イルカがアスマに「ボスって呼んでいいですか?」と訊いていて、アスマが面倒くさそうにしながらも「いいぜ。」と言っているところを。
『ボス』は意外にもアスマに似合っていたらしく、イルカ以外にも親しげにアスマを『ボス』を呼ぶ人間が増えた。
木の葉の里は今日も平和だったのだ。



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