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安心の法則



本日の七班の任務は子守だった。
まあ、いつもDランクで探し物やら草取りやらをやっているが。
依頼者の家に言ってみると、子守を頼まれたのは三つ子の赤ん坊だった。
もうすぐ、十ヶ月になるらしい。
愛くるしい三つの顔につられてサクラもサスケもナルトも顔が自然とにこにこになった。
小さい手におっかなびっくり触って「キャー、可愛い。」とか「柔らかい。」とか「小さいな。」とか嬉しい悲鳴をあげている。
でも、さすが三つ子、似たような顔で区別がつかない。
服が違う色なので、辛うじて分かるけどね。
依頼者は三つ子のお母さんで、病院に行く間預かって欲しいとの事。
「よろしくお願いしますね。」と、お願いする時にサクラたちの頭を柔らかく撫でていた。
子供達はくすぐったそうにしていて。
なんだか、この任務和むなあ、と俺は楽しくなっていた。



母親がいなくなって泣くかと思った赤ん坊達は、意外なことに人見知りもせずに七班の子供達に懐いている。
三つ子だから、ちょうど一人が一人の面倒を見ることになる。
サスケも今日は笑みが多い。
赤ん坊のパワーに癒されているな〜。
「んじゃ、まあ。散歩に行くか。」
俺が声をかけると、七班の子供達と赤ん坊は嬉しそうに声を上げた。



「ん〜、なんだかお前達、可愛いぞ。」
俺は赤ん坊を背中に負ぶった三人を見て感想を述べた。
「何で負んぶなんだ?」
サスケはちょっと不服そう。
まさか、この年で赤ん坊を背負うことになるとは思わなかったのだろう。
「ベビーカーはないのか?」と聞いてくる。
「ベビーカーねえ。そういや、今は壊れてしまって修理中だそうだ。」
母親から聞いたことを伝えると、サスケも渋々に見えたが、実はちょっと嬉しそうに赤ん坊を負んぶした。



土手をてくてくと歩いて散歩する。
俺が先頭に立ち、後ろを赤ん坊を負ぶった子供達が続く。
キャアキャアわいわい、言いながら楽しそうに歩いてくる。
うーん、アカデミーの低学年の先生になった気分だなあ。
いや、先生なんだけどね。
日射しは麗らかで土手にはタンポポや蓮華が咲いて風は爽やかで、いい季節になったもんだ。
空を見上げると白い雲が浮かんでいる。
ああ、平和だなあ。
任務中なんだけど、こんな時、あの人が隣にいたら、と思ってしまった。
今時分はアカデミーで教鞭を振るっているに違いないけど。



赤ん坊のお守りという任務はあっという間に時間が過ぎてしまった。
いつもの任務より時間が短く感じたな。
母親が病院から帰ってきたので、赤ん坊を渡す。
サクラもサスケもナルトも名残惜しそうだった。
母親は赤ん坊をベビーベッドに入れてから、お茶を振舞ってくれた。
「疲れたでしょう?」と労ってくれる。
「大丈夫です、赤ちゃんてホント可愛いですね。」
サクラが目を輝かせていた。
「大変じゃないの?」
「大変だけど可愛いの。」
サクラの素直な物言いに母親は笑顔になっている。
サスケもナルトも、サクラに同意していた。
赤ん坊って不思議な力があるのかな。
子供達を見ていて、そう思った。






その夜。
イルカ先生に、子守の任務の話をしたら、とても悔しがった。
「俺も、赤ん坊を負んぶしたナルト達を見たかったです。」
カカシさんばっかり和んでずるいって言うけれど。
「イルカ先生はアカデミーでたくさんの子供といるでしょう?」
と突っ込んだら、それとこれとは違いますって拗ねていた。
拗ねるほどのことじゃないんじゃないの。
「そんなことを言われたら、俺の方が拗ねてしまいますよ。」
ってイルカ先生にふざけて後ろから抱きついた。
ああ、そういえば昼間、赤ん坊の母親が言っていたな。
お腹をのの字に撫でると、赤ちゃんは安心するって。
イルカ先生はどうかな?
後ろから抱きついたまま、イルカ先生のお腹をのの字に撫でてみる。
「カカシさん?」
イルカ先生の不思議そうな顔。
でも、撫で続けていたらイルカ先生の動きが緩慢になってきて、くたりとなってしまった。
「え?ちょっと、イルカ先生?」
びっくりし覗き込んだら、イルカ先生は目を閉じていた。
つまり、寝ていたわけ。
眠かったの?
どうしてだろうと思いながら、力の抜けたイルカ先生の体をベッドに運んで布団に入れる。
その横に俺も滑り込みながら。
イルカ先生の体を抱きこんで、安心する。
きっと、イルカ先生も安心しちゃって眠くなったんだよね。
そうに違いないさ。
俺は欠伸を一つして眠りについた。



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