AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する




あいうぉんちゅー



どうしても。
どうしても思い浮かばなかった。
イルカの誕生日のプレゼントが。
いくら考えてもカカシは何を贈ればイルカが喜ぶのか・・・。
どうしても思い浮かばなかったのだ。



こんなときはどうしたら?
カカシは一計を案じる。
「誰かに聞いてみよう」
そして、それを参考にして考えればいいのだと安直な結果に行き着いた。
「とりあえず・・・・・・誰から聞いてみようかな」
身近にいる人物たちに尋ねてみた。
火影直々の命でこなした任務の報告の際にカカシは現火影である綱手に聞いてみた。
「火影さまの欲しいものって何ですか?」
「大金」
即答だった。
参考にならない。
側に控えていたお付のシズネにも聞いてみる。
「欲しいものってある?」
するとシズネは頬を染めて照れくさそうに言った。
「若さ・・・でしょうか」
余り参考にならなかった。



報告書の提出を終えて里中の賑やかな場所を歩いていると前方から下忍の集団、それも男子ばかりが来るのが見えた。
「あ、カカシ先生!」
指導している下忍の教え子の一人に声を掛けられた。 一緒にいる他の面子はつまらなさそうに、あるいは面倒くさそうにしながらも一応カカシに挨拶をしてくる。
「こんなところで何してるってば」
「うん、ちょっとな」
「俺たち、これから昼飯食いに行くってば」
チョウジが美味しい店知ってるっていうから!
カカシの話は最初から聞く気がないらしい、というよりこの年頃の男子は自分たちが主役なのだろう。
そういえば、もう昼時だ。
「あー、そう。行ってらっしゃい」
軽くいなすと「じゃーな、カカシ先生!」と手を振る。
「あ、ちょっと待ってよ」
思いついてカカシは男子たちに欲しいものを聞いてみた。
「えー、欲しいもの?」
最初に声を掛けてきた教え子は頭の後ろで両手を組んで首を傾げる。
「火影になることだってば!」
自信満々に答えられたが欲しいものとは少し意味合いが違う。
もう一人の教え子は、ぼそりと呟く。
「復讐」
これも欲しいものとはかなり意味合いが違う。
他にいた男子にも聞いた。
「昼寝の時間っすかね」
「ご飯とお菓子!」
「・・・・・・・・・虫」
「犬!」
「ガイ先生のような忍になることです!」
「特にない」
どうにも参考にならなかった。



男子の集団と分かれて暫く歩くと同じ忍の上忍たちに会った。
「よう!」
「あらカカシ」
会ったからには聞いてみる。
気は進まなかったが。
「ねえ、欲しいものってある?」
「お酒とタコワサ」
「煙草」
大人は欲求に忠実であるとカカシは結論付けた。



それから、また暫く里を歩いて行くと今度は下忍の集団、それも女子ばかりに会った。
「こんにちは、カカシ先生!」
「・・・・・・・・・こんにちは」
「こんにちはー」
「何しているんですか、こんなところで」
女子は礼儀正しく挨拶してくれる子ばかりで男子とは大違いだ。
「いや、何、ちょっとね」
「ふーん、一人でいるなんて怪しーい」
「あー!デートですね!」
だが女子は余計な詮索をしてくる。
「・・・・・・・・・もしかして恋人と待ち合わせ中ですか?」
「カカシ先生の恋人見たーい!」
・・・・・・女子たちは女子特有の勘でカカシの恋人の存在を知っていた。
さすがに、どこの誰かまでは知られてはいないが。
恋人というキーワードに触発されて女子は往来で盛り上がっている。
「恋人か〜いいなあ〜」
「早く私も恋人欲しい」
「わ、わたしもデ、デートしたいな」
「好きな人はいるのにー」
この年頃の女の子は自分が主役なのだろう、カカシのことはそっちのけだ。
盛り上がっている女子の会話に入り込むのも難しい。
だが上忍のカカシは上忍であるが故に何とか頑張った。
「あのさ・・・。みんなは何か欲しいものってある?」
女子全員の視線が一斉にカカシに集まる。
そして声を揃えて言われた。
「恋人です!」
女子は恋に恋する乙女であった。



「うーん」
賑やかな乙女たちを分かれて腕を組んで歩くカカシ。
「欲しいものを聞いてみたけど」
さっぱり参考にならなかった。
これといって手掛かりになるような発言はなかった。
誕生日のプレゼントにはどのようなものが喜ばれるのかという・・・。
そこへ自分を呼ぶ声が聞こえた。
「カカシさん!」
今、正に贈るプレゼントを考えていた相手であった。
イルカである。
「こんなところでどうしたんですか」
「あ、いえ、ちょっと・・・。イルカ先生は?」
「あ、俺は」
にこっと輝くような笑顔になる。
「里中での御使いの帰りで」
言った後に腹を摩る。
「そういえば、俺は昼がまだなんですけど」
カカシ先生は?と問われてカカシは昼食がまだであったのを思い出した。
「あ、俺もです」
「そうですか」
ほっとしたようにイルカは頷いてカカシを誘う。
「よかったら、ご一緒にどこかでお昼を食べませんか」
願ってもない申し出に一も二もなく了承する。
「喜んで!」
「あ、さっき男子の集団に会いましてね」
美味しいお店を教えてもらったんですよ〜とイルカは楽しそうに話す。
「男の子は元気ですね!あ、女の子も元気でしたよ!」
乙女の集団にも会ったらしい。
「ねえ、イルカ先生」
カカシは思い切って聞いてみた。
やっぱり本人に聞くのが一番いいと思ったからだ。
「イルカ先生の欲しいもの、って何ですか」
「俺の欲しいもの?」
少しだけ眩しげに目を細めたイルカはカカシを見つめる。
「俺の欲しいものは」
そっと耳元で囁かれる。

『カカシさんと過ごす時間です』

つ、と触れたイルカの指先がとても熱く感じられた。




text top
top