愛の増産計画
「どうして飲み会に来なかったの?」
一人、飲み会に出席して帰ってきたカカシさんに、いきなり聞かれた。
「どうしてって・・・。」
家にいた俺は聞かれて口篭ってしまった。
今日は飲み会で中忍、上忍とか入り乱れての簡単に言えば懇親会とかいう飲み会だったのだ。
最初は俺も出席予定だった。
そして俺の出席を聞いて、カカシさんは自分も出席することにしたらしい。
イルカ先生と一緒なら大勢での飲み会に出席しますって、言っていたから。
でもさ、俺がいるからって無理に出席することはないのにな〜。
イヤなら無理しなくてもいいのに。
そう思っていたら飲み会当日になって、俺に急な用事が入ってしまって出席できなくなってしまった。
急な用事とは勿論、仕事の関係で、急ぎだったから仕方がなかったし、飲み会に途中参加も躊躇われて、仕事が終わったら、そのまま帰ってきてしまった。
それをカカシさんに伝えられなかったのも仕方ないといえば仕方なかったのだ。
なのに、カカシさんは拗ねていた。
「イルカ先生が欠席なら俺も欠席したのに〜。」とか子供みたいなことを言っている。
俺はカカシさんを宥めるのが大変だった。
「まあまあ、偶にはいいじゃないですか。」
「よくないです。」
口を尖らせて俺の肩に手を置いて押し倒そうとしてきた。
「だって、俺、一人で寂しかったんだもん。」
子供みたいに、そんなことを言っている。
三十路の男が何を言っているんだ、と思いつつ、可愛いなあと思ってカカシさんの頭を思わず撫で撫でしてしまう。
それに気を良くしたのか、更にカカシさんは俺の方に体重をかけてきた。
ついに押し倒されてしまう俺。
カカシさんは俺の上に乗っかって、俺の顔を見下ろした。
「俺はイルカ先生といつも一緒がいいんですってば。」
「まあ、それは・・・。」
それは俺も同じだけど、口には出さなかった。
そんなことを言えば、カカシさんは調子にのるに決まっている。
調子にのったカカシさんを止められる自信が俺にはない。
だから、こう言った。
「離れていれば相手のことを、より愛しく思うものですよ。」
「それって愛が増えるってこと?」
カカシさんが真面目な顔して聞いてきた。
え・・・と、そうかな?
「はい、まあ、そうですね。」
多分、と俺は心の中で付け加える。
カカシさんは、途端満面の笑みになった。
「じゃあ、適度に離れて俺達の愛を増やしていきましょう!」
なんだか張り切っている。
あ、あれ?
「でも、ずっと離れ離れはイヤですからね。」
そう言うとカカシさんは、自分の唇で俺の唇に触れてきた。
「そんなの当たり前じゃないですか。離れ離れは俺もイヤですよ。」
チュッとキスされたのだ。
・・・・・・自分で言っておいて難だけど、すごく恥ずかしくなった俺だった。
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